auスペシャルウィークを活用して鑑賞。
1000円で観られるのはありがたや。
原作は桜木紫乃さんによる直木賞受賞作。
元々お仕事で少しだけご縁を頂いたことがあり、それがきっかけで原作を読み、映画化されると聞いて楽しみにしていました。
ラブホテルという陽の当たらない特殊な空間が舞台ではありますが、ストーリーとしては、そこに訪れる人々と、非日常空間のなかで日常を送るホテルの女将(主人公)が紡ぐヒューマンドラマが主軸。
原作の持つ、悲哀とか侘しさといった空気感が忠実に再現されていたところは良かったです。
キャストもイメージ通りの人が多くて、違和感なく観られました。
特に先生・生徒カップルを演じた岡山天音くんと伊藤沙莉ちゃんの実力派コンビはさすが。別格。
あと安田顕さんも、いつものハツラツとしたイメージとは一転、どうしようもない寂れたダメ親父にしか見えなくて秀逸だった。
ただやはり1時間少々の上映時間の中では、それぞれのエピソードの伝わり方がどうしても少し弱い気がしてしまいました。
最初に出てくる写真撮影しにくるカップルの話とか、原作のラストの一番印象的なシーンが端折られてしまっていたり、ミコさんの話も原作と比べると随分あっさりしている印象で、丁寧に描けばもっと心に響くお話ではあるので、ちょっともったいなく感じてしまったかな。
波瑠ちゃん演じる主人公の雅代さんの向かう未来に、少し希望が見えるラストは好きだったけど。