am

マグノリアのamのネタバレレビュー・内容・結末

マグノリア(1999年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

but it did happen.
シリアスな群像劇の果てにもたらされる衝撃。

想像だにしなかったデウス・エクス・マキナに目が点でございました。
トンデモSEX伝道師のトム・クルーズ見たさに鑑賞し始めたらそれ以上のトンデモが待ってた。


いくつもの人間模様が目まぐるしく切り替わりながら描かれていくのを訳もわからず見守っていると、次第に共通のテーマが見えてくる。
父親の罪とその犠牲になった子供。そしてその罪を許す事について。
「何を許すべきか、その判断は人には難しい」と締めくくられているけど、少なくとも「自らの罪を認め心から懺悔できるかどうか」が一つの線引きになっているように見える。

罪とか罰とか許しとか孤独とかトラウマとか、地上の人間の苦悩なんてお構いナシにドンドコドンドコ降り注ぐ夥しい量の蛙の雨は、全く意味が分からないけど意味の分からなさこそが救いになる事もある。


実はPTA作品を見るのはこれが初めてなんだけど、物凄く個人的な人間関係やトラウマを作品に色濃く投影させる監督だそうで、町山さんの映画解説を聞いて更に好きになった。

こんな良作を「187分って長いなぁ、それにタイトルの片仮名フォントがなんかダサい…」という理由でなんとなく見ずにいたのは本当に勿体無かった。
あの丸ゴシック体の安っぽい「マグノリア」はどうにかならんのかね…


追記
『2001年宇宙の旅』のパロディとして病床の老人〜ツァラトゥストラの流れは指摘されてるけど、その後に図書館のシーンで流れる弦楽曲も木星編冒頭の曲をかなり意識してるんじゃないかと勝手に推測。
am

am