けんざ

恋する寄生虫のけんざのネタバレレビュー・内容・結末

恋する寄生虫(2021年製作の映画)
2.7

このレビューはネタバレを含みます

2021年10月28日 試写会@神楽座 

トークイベントで監督も言及してたけど、美しい映像と音楽に彩られたプレイリストムービーとしての印象が強い。世界の終わりを連想させる破滅的な始まり、ダウナーで落ち込むテンポながら、どこか夢見心地で落ち着く曲調とサイケな配色で物語が綴られていく。

"異色の"ラブストーリーという謳い文句ではあったけど、むしろ話自体はオーソドックスで拍子抜けした。辛い過去が原因で社会不適合者になるのは分かるけど、本当の社会不適合者ってあそこまで極端じゃなくて、もっと絶妙なラインで生きづらさを抱えてる気がするんだよね。寄生虫っていう設定も、恋愛をタブー化する装置としてはちょっと弱い気がする。普通に恋に落ちるのが予想できるから意外性もないし、気持ちが偽物だという悲惨さも伝わらなかった。エンディングを観た時もこりゃねーわ…って思ったけど、監督曰く、このご時世だからせめてマイノリティに希望を与える終わり方に改変したかったらしく、そこだけは何故か凄く納得がいった。もはやマイノリティじゃなくても生きづらい時代になってるからな。試写会で監督の見解聞けて良かったなと思った理由の一つ。

小松菜奈は今回も「彼氏目線の彼女映え」する女優として存在感を遺憾なく発揮していた。小松菜奈の代表作や印象に残った作品で『お別れの歌』を挙げる人って圧倒的に多いんだよね。良い意味で女優っぽさが無くて親近感持ちやすいのが魅力なんだなと再認識した。でもジーンズは確かに似合ってない(笑)
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