2020年の韓国映画。主演は『国選弁護人ユン・ジンウォン』のユン・ゲサン。
『ジェイソン・ボーン』を模倣したアクション映画かと思いきや、斬新な発想と演出とで唸らせる。一体何が起こっているのかという疑念が主人公とシンクロし、それを理解しようとこちらも頭を働かせるのが楽しい。非現実的な話ではあるが、それに説得力を持たせるパワーがある。見応えのある作品であった。
ユン・ゲサンの確かな演技力が本作のクオリティを底上げしている。本作では骨太なアクションも披露。まさに韓国版『ジェイソン・ボーン』な骨太さである。アクションだけでなく、主人公の深みの表現もさすがの域。ハードな役柄の熱演ぶりは見事であった。
ヒロインを演じたイム・ジヨン、個性的な役柄のパク・チファンなど、出演者は誰もが強烈な印象を残す。悪役を演じたパク・ヨンウも、かなりの衝撃度。役者の熱量が半端ない作品だ。
すでにハリウッドリメイクも決定しているそうで、それも納得の面白さ。謎解きの過程が鮮やかに構築されているし、それが全て明かされた時の心地よさがたまらなかった。ラストバトルはめちゃめちゃ熱い。終わりも美しかった。韓国良質アクション作品に、新たな一本が仲間入りである。
