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ハーフ・オブ・イット: 面白いのはこれからのkのレビュー・感想・評価

5.0
映画館で他人の気配を感じながら観たいような、優しい作品。
1人で、タコスなんて食べちゃいながら。

緊急事態宣言真っ只中のときに観て、この映画が秘密の泉のように、私の心を穏やかに、少し元気にしてくれた。
晴れた日の気持ち良い風を感じながら、3人の顔を思い浮かべて泣きそうになるなど。

知らない間に梅雨の気配を感じさせる雨が降ったり、緊急事態宣言が解除されたり。

私は今、愛を言語化できない。
そして彼らにとっての愛に、自分を重ねることはできない。
だから良いし、大切だ。

エリーがアスターを見つめるときの表情は、愛の告白そのもの。
アスターを救ってくれて、ありがとう。
大学で成長して、どんな人生になろうとも、ありのままのあなたがいつでもベストですよ…。

登場人物みんなに対して、私の雀の涙ほどの母性がビックバン起こしました。(は?)

ポールは真っ直ぐすぎるし2人に比べて幼いけど、ひたすら走って追いついたり、ギターを差し出したり、ゲイについて調べたり、人を幸せにする才能に泣かされた。

Netflixオリジナル、またもや嬉しい作品を世に送り出してくれてありがとう。
アジア系の女性監督、もっと増える未来がぐんと現実味を帯びたなって、ガッツポーズ決めちゃいそう。

あと冒頭の、人間は元々2人くっついてたけど、完璧すぎるから切り離した、みたいな説、面白かった。人間は不完全で当たり前だし、不完全な自分を愛すことから、片割れ探しは始まるし、始めなくても良いし。
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