よーすけカサブランカス

TITANE/チタンのよーすけカサブランカスのレビュー・感想・評価

TITANE/チタン(2021年製作の映画)
4.1
世間と相容れない嗜好、という点から言えばマイノリティがテーマとも言える。だがLGBTQのどの領域の愛とも違って、彼女の腹にはそれが宿る。
ここで消防士の男に息子と間違われる、という??な展開が始まるのだが、表向きは父の理想のマッチョな男として生きる、という相当捻れたことが起こっている。
それは後に父の愛の回復という事態にもなるし、父娘という姿にもなるし、もしかしたら父息子という線も……。
マイノリティの話でありながらも敵であるマッチョ男性をただ憎むべき相手として処理せずに救いの手すら差し伸べたことは素晴らしいと思う。
劇中で彼女は幾度も痛みを覚えるが、真の意味で痛覚を取り戻すのは、最後の産みの痛み、ということか。