シネラー

トランスフォーマー/ビースト覚醒のシネラーのレビュー・感想・評価

3.5
少し後れ馳せながら、
シリーズ最新作であり新章開幕の第1作
とも言える本作を劇場鑑賞。
やや物足りなさはあるものの、
アニメ『ビーストウォーズ』を意識した
キャラクター達とハチャメチャで
考えを必要としないアクションが
楽しめる映画だった。

物語は1994年を舞台に、
サイバトロン星に帰還できずにいる
オートボット達が同じく地球へと
避難した動物型のトランスフォーマー
"マクシマル"と関わり、
彼らが隠した物を巡って襲いかかる
テラーコンと対峙する内容となっている。
本作で初登場となるマクシマル達だが、
リーダーであるオプティマスプライマル
とオプティマスプライムが並び立つだけでも、
二人のオプティマス(コンボイ)の共演が
嬉しい要素でもあった。
人間側の主人公と相棒となる
ミラージュはオートボット側の
キャラクターで最も印象深く、
吹替えと相まっての陽気さが好きだった。
『バンブルビー』と同様に
敵味方双方のキャラが限られつつも、
従来シリーズよりも丁寧に
キャラ描写していると思った。
アクションにおいても、
博物館での戦闘や中盤のカーチェイス
といった具合に目白押しくあり、
終盤にかけてのオートボットと
マクシマルが揃い立っての乱戦は楽しく、
そこで音楽と相まって登場する
バンブルビーの場面は格好良かった。
人間側の主人公もアメコミ的な
アクションを展開していくのも面白く、
膝に悪いスーパーヒーロー着地が
立て続けにあるのには笑ってしまった。
次回作があるなら、
是非とも二体のオプティマスと
二体のメガトロンといった対決も
観てみたいと思うところだ。
『ビーストウォーズ』は世代から
ずれている事もあってあまり視聴していないが、
マクシマルの声優陣がアニメと
同様なのは嬉しいファンサービスだった。

不満点としては、
劇中で活躍するマクシマルが
プライマルを中心としていて、
他のマクシマルが活躍しない点が挙げられる。
プライマル以外の変形が全く思い出せない位、
活躍場面がしっかり描かれなかったのは
とても残念だった。
加えて、人間側の主人公と
オプティマスの成長を描いていたが、
そこに重点が置かれた事でマクシマルの
出番や見せ場が減ったと思うところだった。
又、劇中ラストの部分に関しては、
アニメやコミックスで所縁があった
ユニバースの拡張を醸し出していたが、
昨今のアメコミ映画や
他のユニバース映画が陰り始めているだけに、
あまり素直に喜べない要素だった。

結局のところ『バンブルビー』から
続く物語でマイケル・ベイの5部作
と繋がるのかも二転三転しているが、
新章開幕としては良い始まりだと思った。
無理にユニバース化しなくても良いので、
キャラクター達を大事にシリーズを
積み重ねて欲しいと思う娯楽作だった。
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