「ジョン・ウィック」シリーズ第4作。
今作のテーマはタイトルにもなっている「consequence(報い)」。
前作クライマックスにてコンチネンタルからも完全に見捨てられてしまったジョンとバワリー・キングが結託。
「報い」を受けるのは、俺たちか、やつらか。
✏️meiwaku kakete sumanai...
日本語をローマ字に書き起こすと手塚治虫先生の漫画作品っぽさが出ますよね。
そんなどうでもいい前置きはさておき。
本作も「ガンフー」ジョン・ウィックらしいアクション要素がたっぷりで、シリーズでも1、2を争う…いや、一番と言ってもいいくらいバラエティに富み客を飽きさせない演出が目白押し。
そのおかげで、169分というシリーズ最長の作品時間を忘れジョン・ウィックの世界観にのめり込むことができる。
物語序盤ではなんとなんと、我らが日本は大阪にあるコンチネンタルが舞台。
そしてここで登場するは日本が世界に誇るスター俳優・真田広之。
キアヌと真田広之の共演とアクションは刮目。
また、真田広之演じるコウジの娘・アキラを演じたリナ・サワヤマは、同氏のWikipediaによると本作が映画作品初出演らしい。
本作を最後まで見た方ならご存じだろうが、彼女は既に制作がウワサされている第5作でも台風の目となりそうな存在。
また、彼女のスタントダブルを演じたのは『べいびーわるきゅーれ』でその名を轟かせた伊澤彩織!
本作の上映終了後、いつものようにボーっとエンドロールを眺めていたところに飛び込んできた「SAORI IZAWA」の文字。
まさかスタントダブルとしてハリウッドデビューを果たしていたとは。
色んな意味で「アキラ」というキャラクターの今後の活躍に期待がかかる。
✏️花の都・パリへようこそ
本作で最も私の度肝を抜いてくれたのが、フランス・パリを舞台にした一連のアクション・シークエンス。
凱旋門からエッフェル塔、パリの観光名所を舞台とし、パリの街全体を巻き込んだジョンの戦いは圧巻の一言。
建物の中に入っての「見下ろし型アクション」は過去作には存在しなかった演出。
まるで自分がジョンを操作してゲームをプレイしているような感覚に陥り、ド派手な銃のエフェクトも相まって爽快感はバツグン。
終盤の階段アクションも手に汗握る。
本作のほとんどのアクションシーンはキアヌ自ら演じたそうだが、この「階段落ち」はあまりに危険すぎてスタンドダブルに任せたそう。
迫るタイムリミットの中、満身創痍で戦い続けるジョンの姿、これまた必見。
✏️ニューフェイス
本作から二人の新たな殺し屋が登場。
盲目だが研ぎ澄まされた感覚で敵を翻弄するケイン、そして愛犬家でありながら冷酷にターゲットを仕留めるスナイパー、トラッカーの両名である。
2人ともそれぞれしっかりとキャラが立っていて、基本はジョンの命を狙う敵だが時に共闘関係になったりと「先が読めない存在」として物語にスパイスを与えてくれる。
だがしかし、この「どっちつかず」とも取れるジョンとケイン、そしてトラッカーの関係性は個人的に疑問。
この手のアクション映画において白黒ハッキリさせたい自分としては、味方なら味方、敵なら敵、と立場を明確に分けてほしかった。
百歩譲ってジョンとケインは旧知の仲であるので、件の階段バトルにてケインがジョンを助太刀したのはわかる。
だがトラッカーとジョンは完全に初めましての関係性であるはず。
「犬を助けられた」というだけで、莫大な懸賞金をフイにしてジョンの殺害を諦めることが本当にできたのだろうか…?
最後のジョンとケインと決闘をビール飲みながら観戦してたけど、いやお前どの立場の人間やねん、っていう。
ジョン・ウィックの世界には珍しい、遠くから標的の命を奪う「スナイパー」という設定は好きだったんだけどな~。
☑️まとめ
アクション要素とその演出技法は間違いなくシリーズナンバーワン。
後はもう少しドラマ面をキュッとまとめ、各キャラクターを違和感のない感じにしてくれれば…!という点だけが惜しい。
さて、前述の通り既に第5作の制作がウワサされているが、ジョンは既にこの世に不在。
「実は生きてました♪」的な開き直り展開でも受け入れる覚悟はできているが、あのラストシーンからどのように物語を転がしていくのだろう。
無敵の暗殺者、ジョン・ウィック。
死してなお、今後の動向が気になる男である。
<作品スコア>
😂笑 い:★★★☆☆
😲驚 き:★★★★★
🥲感 動:★★★☆☆
📖物 語:★★★★☆
🏃♂️テンポ:★★★★☆
🎬2023年鑑賞数:89(41)
※カッコ内は劇場鑑賞数