総長約1200㎞。
地中には、石油を運ぶためのパイプラインが埋まっている。
石油を盗む輩は、そのやり口から「モグラ」と揶揄された。
本作は、一攫千金をかけたモグラたちによる「無謀」をコミカルに描いた韓国映画。時に挟まるシリアスな展開と、チープな演出は、どこか憎めない。
おバカムービーとして、十分楽しめる作品だった。
以下、ネタバレを含みます。
オープニングがまず良い!バカっぽくてカッコいやつ。韓国のこういう曲好きなんですよね。
ここで、モグラ達のメンバー紹介!
「物我一体」、ドリルと一体化したかような鮮やかな腕をもつ「ピンドリ」
建設に携わる公務員として30年働き、土木に長けた「ナ課長」
溶接を生業とし、あらゆるものを接合する「チョプセ」
人間離れした怪力で、掘削を担当する「ビッグショベル」
ホテルの受付員を装って、監視役を務める「カウンター」
彼らのスポンサーを買って出たのは、精油会社の「ゴヌ」
彼は、金のためなら犠牲を厭わない。一攫千金をかけ、無謀とも呼べる計画を始動させる。
キャラクター管理や、コメディーからシリアスな展開に持っていく手法は杜撰と言ってしまってもいいほどだったが、映画を観進めていくうちに気にならなくなってくる。おバカ映画と認識し始めると、整合性はどうでもよくなってくる。
自らの過ちで、トンネルを崩壊させ、生埋めにしてしまう展開も、迫真の表情もどこから湧いてくるのかと思うのだが、それも面白いと感じてしまう。重みのない話から、突然シリアスに結びつけてくるのだが、皆、真剣な顔しているので、コメディーに感じる。シーン切り替えの演出もセンスのなさも愛おしい。
ピンドリがゴヌに言ったセリフ
「堕ちるとこまで堕ちたな。」
堕ちたやつがいうセリフじゃないね!!
全体の作品の流れとしても、始まりと終わりのテイストががらりと変わるので、その感じが韓国コメディーっぽくて楽しい。
ラストシーンも、悪いことしたから捕まるという、非常にスッキリとする終わり方。出所しても懲りずにパイプラインをいじっている彼ら。更生して水道管の修理をしているらしい。どこまでも憎めなくて、おバカで、愛おしい。