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歪んだ関係の一のレビュー・感想・評価

歪んだ関係(1965年製作の映画)
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普通に面白いミステリー。連れ込み旅館の押し入れの奥に張ったマジックミラー越しに隣室で行われる妻の不貞を夫が真剣に窃視するというシチュエーションが良い。全編に渡って夫役・林孝一の顔芸は冴えてわたっている。寺山修司が惚れ込んで天井桟敷に参加することになる新高恵子はホント綺麗だし、行動的なヤバい女が似合っている。足を引きずる姿がハナから違和感を覚えさせる。堂々と「血液銀行」って看板掲げられてるの凄い時代だ。

2021/2/5
『情事の履歴書』若松孝二
脚本は曽根中生&大和屋竺。田舎育ちの娘が愛人殺しの容疑者として取り調べを受けながら半生を回想していく。男から散々な目に遭わされる被害者的立場から一転、復讐する女の強かさが現れてくる終盤が楽しい。刑事すら手玉にとって翻弄する。若松監督曰く、「雪の中を女が裸で走るのは、この映画が最初なんだ」。
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