いしんじ

哀愁しんでれらのいしんじのレビュー・感想・評価

哀愁しんでれら(2021年製作の映画)
4.8
こんな夕暮れ曇天の中のハッピーシーンがあってたまるか!!!!世界の終焉ではしゃいでるのか!!?

もう、幸せから堕ちていくことが「意外」なのではなくて、「みんな分かってるだろう?^^」ってスタンスでヤりにかかってくるから全然幸せシーンを幸せな気持ちで観れない。(もちろんそれがいい)

そんな小手先の意外さで戦おうとしてるんじゃなく、みんなが察してるのを見越して、その上でドキっとさせてくる。良いね!!!

ヒカリはもう"オンナ"として目覚めてるんだろうなぁ。自らの立場を理解しきってる。

大悟が小春の父に葬儀会社紹介するのもさ、もちろん父親の「お化けになればお化けは怖くない」という言葉を引き出すための狙いなんだろうけど、同時に、大悟の強い「合理さ」の片鱗が垣間見えていたところでもあったんだなぁと。
だって、知ってすぐの人の親に葬儀会社紹介するのはなかなかの肝でしょう…。

そんな強い「合理的」な思考と、正解だと思い込んだ「理想」が重なった時。これがもう全てを壊す魔法のレシピよ。

とはいえね、その魔法のレシピの描き方だってさ、案外塩味であっさりとしてるのよ。これですらも「もうみんな知ってるよね〜?」って感じで。「醍醐味はこの先だよ」ってズンドコ進んでく。
そしたらちゃんと醍醐味が醍醐味だった!!!!

もはや"アレ"のために全部あったのかなとさえ思う。てか、そうだったんじゃね???

死神による3分クッキング???一晩寝かしておいたキュウリが出てきて、「これがいい味出てるんですよね〜」って声聞こえてくるわ。
ありがとう!死神の主婦情報!!死してもなお、あーしらは家事から逃れられねぇってのか!!!クッソー!!!LOVE。
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