任侠映画かと思いきや、ヤクザの世界に入った一人の男のヒューマンドラマだ。
それは悲しく、辛く、苦しい。
柴咲組長(舘ひろし)に誘われヤクザの世界で生きる山本(綾野剛)怖いもの知らずの山本だが、根は真っ直ぐで優しい。
身内がいない山本を父親のように包み込む柴咲役の舘ひろしもさすがの存在感。
14年の刑期を終えて戻った時には法律や条例の施行で、ヤクザが存在することも難しい世の中になっていた。
ギラギラした若い時から20年の歳月を演じた綾野剛も寂しさの中にも男気ある役を見事に演じた。
一度足を踏み入れたら一般人にはなれない。元ヤクザという肩書きははずれない。
もちろん恐い世界だが、何より辞めた後も死ぬまでそれが付いてまわり、生きにくい人生を歩まなければならないという怖さだ。