しゅう

キングダム2 遥かなる大地へのしゅうのレビュー・感想・評価

3.6
原作は最新刊まで読了済み。

前作を観終わった時から、「続編は難しいだろうなぁ」とは思っていた。

一作目は原作の王都奪還編(1〜5巻)という一本の映画にするのに丁度良い分量の上、将来を誓い合った親友の死、若き王との出逢いと逃避行、形勢逆転の為の山の民への働き掛けと山の王との邂逅、王都への潜入とそこでの死闘、と物語に起伏があって話の筋を追っているだけで結構面白い。又、ポリティカルサスペンスの要素も大きくて、それが吉沢亮の見せ場になっていた。

それが今作では(原作通りなのだが)映画の殆どが戦場での戦闘に終始しており、どうしても一本調子にならざるを得ない。吉沢亮も(これも原作通りなのだが)時折戦況報告を受けるだけで芝居の観せようが無い。

そうなると、前作では余り気にならなかった細かい粗が目に付いて、特に清野菜名の最初の無双場面でのワイヤーアクションのぎこちなさには、あれっ?こんなレベルだっけと落胆させられた。

又、大沢たかをが大将軍とは「目的を達成する為に如何に味方を効率良く犠牲に出来るか」を考える存在であると教えたのに対する山崎賢人の反応も脳天気過ぎる

勿論前作に引き続き良いところもあって、なんと言っても山崎賢人の体を張ったアクション(前作比1.5倍)の見事さには拍手を送りたい。それでいて、戦場での殺し合いの恐怖と悲惨をしっかり描いているのにも好感を持った。
しゅう

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