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あのこは貴族のkのレビュー・感想・評価

あのこは貴族(2021年製作の映画)
5.0
タイトルカット、良い……。となりながら華子の表情を目に焼きつける余白があり、"良質な映画を観ることになる"と直感した。

原作に惚れ込んだ監督なりのフィルターを通して、現代の日本映画をアップデートしていくこの軽やかさと静けさ。
元々いろんなインタビューをみた上での鑑賞だから、信頼して身を委ねながらみまもっていたら、時計も見ずにすぐ観終わってしまい寂しかった。
(私は面白い映画でも基本的に時計を観る)

だって、まだまだ観ていたかった。
物足りなかったわけじゃない。
本当に心地よくて、みんなのこと、知りたくて。
ラストの逸子ちゃん達の演奏も、きれいだった。

いい台詞がたくさんあったなあ。
誰だって、最高な日も最低な日もあるよね。

華子の"お嬢様"演出は本当に凄かった。
居酒屋であんなにちゃんと浮いてて、うわあ…すげえ…と声でかけた。笑

本当のお金持ちとは友達になれても親友にはなれない。住む世界が違う。
でもそれってそんなに悲観することじゃない。
ただたくさんの世界があって、それぞれが人生をつくっているだけ。
どっちがいいとか悪いとかない。交われる時だけ交わる。その縁がキラキラするように、堂々と生きていればいい。

ジェンダー関係なく、日本に住むみんなに観て欲しいなって思う。


どんどん東京から地方へ移住している人が多い中で、あたしは今年、"東京の養分"になりに行きたいんだよなあ…。

美紀みたいに全部自分のもので作り上げる自分の家に住んで、目指したいところを目指すのが、今の目標。

私は境遇でいえば華子と美紀なら美紀側にはなるけど、彼女の「自分で何とかする」強さには圧倒された。
私も彼女のようになりたい…。
華子を家に招くなんて、懐深くて惚れちゃうよ。
華子も家の中を見て回って素直で…意思があるよね。当たり前。

美紀に共感している女性が多いみたいで、みんな、本当に、かっこいいです、、。
みんな幸せでいて欲しい←それはさすがに、誰?となるね笑 でも本当に思います。

辛いときに思い出したい人が増えた。大好きな希子ちゃんが演じた、かっこいい美紀さん…。

運命の引力に振り回されることはあっても、好きなように生きて良いと背中を押してもらえました。ありがとう。
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