Ryu

イングリッシュ・ペイシェントのRyuのレビュー・感想・評価

3.6
第二次世界大戦末期。カナダ人看護師のハナは全身に火傷を負い、記憶を失った男を空襲で破壊された修道院に住み着き世話をしていた。患者は次第に記憶を取り戻していき、戦前のアフリカでの壮大な愛の物語を語り始める。

第69回アカデミー賞において12部門にノミネートされ、作品賞をはじめとする9部門を受賞した作品です。
戦争という時代に翻弄されながらも愛を育んだアルマシーとキャサリン。美しく儚く、非常にキレイに見せてはいるものの、やっぱり不倫 という点が心の片隅に引っかかってしまいます。しかも結末があんなだからねー。あんな結末を迎えてしまったのは、戦争という時代のせいもあるかもしれないけど、不倫というタブーをした結果だと思います。コリン・ファースがちょっと可哀想すぎますね。
ただ、やはり戦争を絡めてきて、これだけ切ない演出をされると気持ちが傾いてしまわざるを得ないです。ズルい演出してくれるよなー。
アルマシーとキャサリンの恋と比較するがようにハナとインド人の軍人 キップの恋は非常に青々しくキレイに見えました。しかし彼らの恋も戦争に阻まれることに。恋愛だけに限らず、戦争というものがどれだけ人と人との繋がりを壊してきたのかを改めて感じました。
“patient”は患者という意味の他に形容詞として“我慢強い”という意味もあるそうです。不倫してる時点で我慢できてない という思いもありますが、それに対する仕打ちとしてはちょっと酷な気もします。そう思うと彼は患者であると同時にこの形容詞の意味でも“patient”だったんじゃないかとも思いました。
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