KingLeo

STAND STRONGのKingLeoのレビュー・感想・評価

STAND STRONG(2020年製作の映画)
1.0
原作というか、元ネタは以前から知っていたので、映像化してどうなったのか?とても楽しみな作品だった。
率直な感想は、非常に残念な話だが、強いて言えばエンドロールのシーンが1番スケートムービーぽかった。確かに元ネタのストーリーを引用してはいたが、あまりにもストーリーが薄く、チグハグで、すごくポップで、演出が古臭く、ポップなのが悪いわけじゃないけど、安っぽい編集も相まってなんだか深夜にやる低予算の連続ドラマを繋いだみたいで期待していただけに残念だった。一言で言うとダサい。見終わった後何だこれ。て思った。ちょっと寒くなっちゃうくらい古臭い。クラシックではないダサい古さだ。雨に打たれるシーンとかヤバい。ちょっと恥ずかしくなってしまう。これでもかってくらい出てくるsnsのコメントの画面。そこだけ2020ではあるが、ダセーBGMのせいもありすごく古臭い。主題歌もそうだが、何でBGMを現代にアップデートしないんだろう。色々しがらみがあるのもわかるが、hiphopと言っても今の子達あんなん聞かないだろ。スターンストローン♩
なんだあの歌は…恥ずかしい。日本でハスリングラップとかはあまり表に出ないのはわかる。お国柄だ。でもなんでこんなファンキーモンキーみたいな応援ソングなんだ。
しかし、日本では小道具としてでなく、他にここまでスケートボードを取り扱った作品はない。これが日本で1番になるわけだ。残念だ。ただただ悔しい。スケートボードがこんなダサいと思われたくない。それだけスケートボードはニッチな市場だ。オリンピックなんかもそうだが、そもそもメジャーにする必要もないわけだが。スケーターは大きく分けて2種類に分かれる、多分この映画でもそんなんをやりたかったんだろうなとは思う。

冒頭のシーンのスケートボードの組み立てまでは良かったのに、そこからダセー邦画に良くあるスローからのタイトルバック。スケートボードの魅力の一つはスピード感だと思っているが、スケートシーンに限らずとにかくスローが多い。印象づけたいなら思いっきりクローズした画でも十分魅力が伝わる。何に影響を受けたらこんなダサくなるんだろう。決まったー。世界大会への切符を手にしたのは〜の件とかめちゃくちゃ恥ずかしい。キャプテン翼かと思った。キャプテン翼は悪くない。ラストもめちゃくちゃダサい。
せっかく本物のスケーターを使ってんだから、いらねえ編集はしない方がリアルなのにな。似たようなcrewもののskate movieだとskate kitchenがある。あっちはfakeだと思われたくないからって理由でこんなダサくしていない。
作ったばっかのCrasherの認知度がいきなり高くなるのもちょっと謎だ。そりゃ誰が作ったのか、とかメタ的な要素を考えたらわからなくはないが。にしてもスケートボードがそんなにすぐ人気になるだろうか。プロライダーとしてエレメントに入ったニュースはSNSで拡散されて行った。って言うのも違和感がある。拡散は別にいいけど、なんだかこの描き方ではプロ野球選手にでもなったみたいだ。ここは残念だが、日本だ。スケボーで家買う奴が何人いるだろうか。
今すぐ帰りなさい。と警備員に言われて帰るのはすげー素直だ。スケーターならメイクせずに帰れるだろうか。ましてKの性格だ。あの警備員さんは言うほどヘイターでもない。ストリートならもっと正義マンとかヘイターはいくらでもいる。むしろあの警備員さんは仲良くなれそうな気もする。
役者じゃないから芝居が下手なのは仕方ない。その分スケートシーンは役者じゃ出来ない。リョウのステアのスラムシーンなんて役者は絶対に出来ない。見せ方で演出でどうにかなる。もっとカッコ良く撮ってあげて欲しい。親父の言わせてる感満載のセリフとかはどうにかなんなかったんだろうか。
いっそこの撮り方ならドキュメンタリーならまだ見れた。もしくはいっそ映画じゃなくspike jonesのgirlのスケートビデオみたいなスケートシーンメインでストーリー仕立てなんだったら、つぎはぎ感も、拙い演技も気にならなず、すげーて見れたかもな。素材の割にすごくもったいないな。素材はあるし、もうちょっとどうにか出来た気がする。公開当時見に行くの我慢して良かった。演者は下手なりに頑張って悪くなかったのにな。skateboardを題材にした映画でここまでダサいのは初めて見た。何というか表層。上っ面だけスケートボードムービーなんだけど魂が入っていない。スケーターなら撮るであろう。入れるであろう物が少ない。
ただ、これを見て1人でもスケボーの魅力に気づき、スケボーを始める人がいれば、それだけでも貢献度は高い。ここ数年は本当にスケーターが増えたと感じる。一年後も続けているのが何人かはわからないけど、確実に増えた。それだけで嬉しい気持ちだ。
演出、編集、リズム感ももちろんだが、やっぱ行き当たりばったりではなく、しっかりした脚本って大事だ。
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