KnightsofOdessa

劇場版 アーヤと魔女のKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

劇場版 アーヤと魔女(2020年製作の映画)
2.0
[新生ジブリに祝福を] 40点

孤児院から不気味な男女二人組にもらわれるアーヤ。彼女自身は魔女の血を継いでいるが気が付いておらず、猫なで声で大人に近寄り、従うふりを見せて相手を操り、居心地の良い環境を作らんと腐心する。これは完全に宮崎吾朗が入ってる気がするんだが気のせいだろうか。最近ジブリを見てないのであまり強いことは言えないが、黄色いシトロエン、魔女と黒猫など過去作に間接的に言及しながらそれを全く使わないことや、これまでとは別の意味で逞しい主人公、そもそも初のCGアニメであることも含め、旧来のジブリ的なものから逃れようとしているのはよく分かる。もしかしたら、逃げられない環境でパシられ続けたのも、ろくに教えもしない癖に怒られ続けたのも、監督一家の経験なのかもしれないと考えると、あの不気味な共同生活がこの時代にあそこまで搾取的に描かれているのも納得出来なくはない。ただ、この脚本はあまり擁護出来ない…

個人的には"ちょっと宮崎駿が生きてるうちに大きめの波風立てといて、彼が居なくなった後のジブリが新時代のジブリとして生き残れるようにしておこう"企画の第一弾だと思ったので、そこは積極的に評価していきたい。ずっと安牌切ってるだけじゃ生き残れないのよ。そんな感じで、途中から温かく見守るモードに入ってしまった。
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