jonajona

本気のしるし 劇場版のjonajonaのレビュー・感想・評価

本気のしるし 劇場版(2020年製作の映画)
5.0
【奉仕精神がもはやホラーの域】
ずっと見たかったやつが再開しててよかった…早稲田松竹で鑑賞。監督さんとみっちゃん役の女優さんが予告無しにきてらっしゃってちょい見れたのがなお嬉しい…いい映画体験でした

どこまでもお人好しな優男と
どこまでも人をたぶらかしてしまう魔性の女の地獄の恋愛劇。
キャラ濃すぎてすごい!

4時間の映画となると以前肩張って映画館で鑑賞したものの、永遠のような長さに窒息しかけて退散した5時間越えのサタンタンゴ鑑賞を思い出します。(調べたら7時間半くらいあるんね…あの映画)
しかし本作は間幕を挟んだとはいえ全然時間が苦じゃなかったです!ぶっ飛んだ2人の関係がどんな風になっちゃうのか気になって最後までヒヤヒヤしながら緊張感が持続しました。すごい映画。

序盤の主人公に対する感情移入のさせ方と、ヒロインが出てきたときの悪気はないのにやばいやつ感ハンパない空気感が素晴らしい。
逃げ出して捕まえられて、腕掴まれたら掴み返して『こっちの方が痛くないから…』って笑うシーンが凄いあの子のキャラを象徴してて見事。
他人の気持ちや置かれた状況云々より自分の快不快だけで物事を測ってる感。あの『ねっ?』っていう呆れ笑いみたいな絶妙な顔がまたナチュラルサイコ感強めてて笑える。

主人公も最初は社内浮気のイケイケクソヤロー感出しといて、実はとんでもなく優男で人との関係を断り切れない人間と言うことが描かれるのがグッと心の距離が近くなる。とんでもなく不器用な?へんなひとやね。不器用というか、無気力?なのか

この2人だからこそ成立する恋愛劇でした。
終盤にかけて追う追われる、ギブとテイクが逆転していく怒涛の展開が素晴らしい。これだけイカれたメンツを揃えていかれたことして、最後はしっかりと物語としての本道というか奪う、奪われるが逆転してストレートに熱い恋愛劇に変わる感動の感覚は大好きな『愛のむきだし』に匹敵する。このストレートさが最後に待ってるのがホントすごいいい…!

脇役もみんな生々しく息づいてて素晴らしい。先輩やみっちゃん。居そう…。なーんも気付いてない主人公にヒヤヒヤ…
ヤクザのひとが傀儡廻しとして優秀で物語の骨格(主人公が今ヒロインをほんとはどう感じてるかなど)を随所でしっかり強調してくれる役割なのがうまい。あの人カッコ良い…

個人的な趣味嗜好の問題でポスター見た時に勝手に血みどろ展開あると期待してたんですが、それはなくてちょっとさみしかった笑
どこにもそんな触れ込みはなかったんだけどね…笑

キャラの作り込みと物語がガチッとハマっててすげえなぁ…こんな話が理想
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