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スザンヌ、16歳のgenarowlandsのレビュー・感想・評価

スザンヌ、16歳(2020年製作の映画)
3.6
ティーンの恋愛をスザンヌ・ランドンが15歳で書いた脚本を19歳の本人が演じ監督している。荒削りなものの、蝶になる前の混沌とした蛹の時代を丁寧に描いている。

スザンヌは十分にファム・ファタールである。(純粋無垢な)「少女」とは作られた概念だとかねがね思っているのだけれど、19歳年上の舞台俳優に恋して、近づき、二人は恋に落ちる。さて、その先に行けないもどかしさは、女性より男性側に強くあるだろう。スザンヌの退屈な学校の外にある大人との恋。好奇心が勝っている。恋に恋する自分と妄想の延長線上にある恋。男性側はもっと現実的だ。目の前の女性をほしい。首すじへのキスが艶かしくも切ない。

振り回したのは、ボサボサ髪で、くたくたな白シャツとジーンズとスニーカーで化粧けのないスザンヌ。性愛を匂わせられる自分の価値に気づきはじめた年頃でもある。

慎ましやかで素朴にみえるファム・ファタール。女性の本質にすらみえる。

カフェのシーンが鳥肌もの。
その後の舞台でのシーンは二人の高まりとセクシャルな関係を妄想させる。

編集とか繋ぎとか、不要と思われるシーン(室内外の出入り:外への自立の準備の意味🦆しれないけれど)がかなり多いので、観る者をも翻弄する。

非連続にみえる、一貫しないところに若さ、瑞々しさを感じた。

ヴァンサン・ランドンのお嬢さんです。ちょっとファザコン的シーンもあり、まあ年上の男性に惹かれるのはそういう面もあるわけだけれど、一人前の大人の女性に早くなりたかったスザンヌの大切な人生経験を正直ベースで見せてもらいました。文学的でもありました。

🍹leylaさん、ありがとうございました🥤
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