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アンモナイトの目覚めのtottsunのレビュー・感想・評価

アンモナイトの目覚め(2020年製作の映画)
3.7
「アンモナイトの目覚め」🎬36
イギリス南西部にある海沿いの町ライム・レジスで、世間とのつながりを断つようにして生活する古生物学者メアリー・アニング(ケイト・ウィンスレット)。かつては発掘した化石が大英博物館に展示されて脚光を浴びたが、今は土産物用のアンモナイトの発掘で生計を立てていた。ある日、彼女は化石収集家の妻シャーロット(シアーシャ・ローナン)を数週間預かる。裕福で容姿端麗と、全てが自分と正反対のシャーロットに冷たくしながらも、メアリーは彼女に惹かれていく。
シアーシャ・ローナンが出演しているという時点で「観たい!」と思った作品です。
主人公2人の演技は前評判のように彼女たちらしい雰囲気をまとった素晴らしいものでした。
セリフもないシーンでも彼女たちの表情や目の動きだけで感情の揺れ動く様を捉えることができます。特に演奏会に招待されたシーンは印象的なシーンのひとつでした。
全体的に登場人物が少ないながらメアリーの母親が「ハリー・ポッター」シリーズのマダム・ポンフリーであるジェマ・ジョーンズであったり、あの女性がペチュニアおばさん演じたフィオナ・ショウだったので安心感というか主人公たちを支える彼女たちの演技も魅力的でした。
国が違うとはいえ描かれた年代や演出、音の捉え方がどうしても似てるように思えて「燃ゆる女の肖像」と比べられてしまうのもよく分かります。実際、最初のシーンから水の滴る音が印象的でこういうことか…と思ってしまったほど。
ピアノの音、波のうねる音、演奏会の音…
そういった音が印象的な半面、最後の音楽はどこか爽やかな風を感じられました。
最後の結末は寂しさもありつつ想像通りでした。
もし私がはシャーロットの立場ならまさに彼女のような態度取るだろうけど…映画の終わり方としては正解かなと。
1人で孤独を戦いながら生きてきた女性が鳥のカゴに収められるのは似合わないよね。
私的には☆☆☆.7かな。
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