takanoひねもすのたり

名も無き世界のエンドロールのtakanoひねもすのたりのレビュー・感想・評価

3.2
原作未読。

男2(キダ・マコト)と女1(ヨッチ)の幼馴染物+サスペンス。
車の整備工場で働くキダとマコト。
ある日高級車に乗った女が現れ「犬を跳ねてしまいフロントが壊れた、無免許だし父の車だしバレたくない、こっそり修理してくれ」と言う。その日から一週間後にマコトは工場を辞め姿を消した。
数年後、マコトの居所を探り当てたキダは、彼の口からある計画を聞かされる。

冒頭から登場する事故った高級車の女、回想シーンでは登場するけれど現在では現れないヨッチ。

この辺りでどういう流れになりそうなのかざっくり想像はついたけど、終盤佳境で(過去の再現)信号の押しボタン→〇〇スイッチになるのは予想外だった……w

女1男2なので当然色恋沙汰を挟むもののキダが屈託が無さすぎて。僅差でマコトから告白されOKしたとヨッチに振られてるんだが、もしかしたら彼はマコトの方が大事なんじゃねーか……と疑いの眼で見てしまうくらい。
あとフレームに収める関係だと思うけど、マコトとキダの距離感もバグってる。
更にマコトのサポートのために裏の世界に足を突っ込み便宜を図るキダ。
再会直後「俺が消えて寂しかった?」
と尋ねるマコト。
君たち……(遠い目)

コーラの缶、冬の花火、押してもらえない信号の押しボタン、犬。

現在と過去を交互に語る展開の仕方が上手いと思う。演出と構成と編集の功績かなあ。

何故、あの整備工場だったのか、マコトが執拗に女にアプローチする理由、キダが裏で動いている意味は後半で一気呵成に明かされる、所々ご都合主義的な部分があるんだけど、友情と純愛が主テーマで従が復讐なんだろうなあと思うメリバな結末なので"冬の『花火』は美しかった"ということで収めとこう。