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殺人捜査線のmareのレビュー・感想・評価

殺人捜査線(1958年製作の映画)
4.0
やはりドン・シーゲルのバキバキとしたスピード感と大胆なアクション演出は一級品。刑事側と犯人側のリアルタイムな状況を交互に描くことで刻一刻とした変化を切り取り、それらが一直線で事件の発生から結末までシンプルな繋がりで非常に気持ちいい。ストーリー的な面白さや映像の迫力に加えて、サイレンサー付きの拳銃や白い粉が仕込まれた人形といった印象的な小道具も大活躍で、決定的瞬間を捉えている点も優れている。この時代のクライム映画の醍醐味が集約されていて、予算や技術的制約がある中で、コンパクトな尺に一つの事柄だけを描く簡潔さ、緩むことのない緊張の持続、ほんのちょっとのアイデアとセンスで抜群なエンターテイメントとして仕上がっていて素晴らしい。
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