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人数の町のnamのレビュー・感想・評価

人数の町(2020年製作の映画)
4.0
「ユートピアか?ディストピアか?」

作品の世界観やアイデアが素晴らしかったですね。また社会風刺的な視点も見え隠れして、色々と考えさせられてしまいます。

テイストとしては世にも奇妙な物語とかトワイライトゾーン、トゥルーマンショーのような不思議なSFの世界観なのでそっち系が好きな方には楽しめるかと。

衣食住が保証され、言われた事を淡々とこなすだけの街。男女関係も煩わしいやりとりをせず、プールで希望の人に札を渡すだけでセックスできる。全くありえない世界という寄りは、この現実世界のどこかに本当にあるのかもと思わせるようなリアリティの作り込みが素晴らしい。

余計な人間関係なども考えなくてよいという考えようによってはユートピアのような世界。ただどこか不気味な雰囲気がとても良かった。そんな街に送られてしまった主人公(中村倫也)の視点になって、そんな街の姿を体験していく序盤から

後半はそこからの逃亡劇というニュアンスに変わっていきます。またあえてか予算の関係か説明しすぎない部分がこちらの想像力を刺激します。

前半の展開でだいぶ期待値が上がっていたのでもっと後半にかけ盛り上がってくれたらもっと高評価だったなぁと惜しい気持ちは残りましたが、それでも低予算ながら世界観の作り込みは良かったです。

あと立花恵理さんが美しすぎたので、あんなプールサイドあるならちょっとこの街で暮らすのも考えてしまいます。笑

そんな風に全くもってヒドい世界ではなく、見方によって住みたいとも思えてしまうようなこちらにも疑問を投げかけられてるかのようなメッセージも感じました。
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