YNagashima

スパイの妻のYNagashimaのネタバレレビュー・内容・結末

スパイの妻(2020年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

ああ面白かった。
最初に高橋一生と東出が登場して現実にはあり得ない速度で会話を展開するシーンでぐっと世界に引き込まれた。
爪を剥ぐ拷問のシーンが妙に痛そうで見ながら身悶えてしまった。あれは椅子に縛り付けられるのじゃなくて、人に押さえつけられて剥がされるのがリアルだったのかな。とにかくあのシーンで戦争の暴力性と個人の無力さが自分の中でワッと広がって、緊迫感が高まった。
やっぱ終盤の高橋一生が漁船から手を振るシーンはおかしくて好きだ。
当たり前だけど映画はカットとカットをつなぎ合わせて観客にストーリーを理解させるんだけど、黒沢監督のその腕前が素晴らしいなと感じた。シーンの中には、神戸港も、大型旅客船も、ノモンハンの戦闘も、細菌兵器も米軍の空襲も出てくるが、どれも実物は出てこない。勝手な想像だが、予算の制約もあるだろう。しかし映画の中でそれらは見事に表現されていて、すごいなと思った。
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