昨日テレビで東京裁判のドキュメンタリーを観ていて、日本の戦争犯罪を扱いながらエンタメ作品に仕上げたこの映画を思い出した
劇場で観た後地上波でやってたのを2回観ました
プロットを考えた濱口竜介と野原位は黒沢清ならこれを面白く仕上げてくれると信頼したんだろうな
主人公の夫優作は「僕はコスモポリタンだ」と言ってたし別にスパイでもなんでもなかった
ワールドワイドな視野を持ち日本の戦争犯罪を告発しにいく
正義に固執し過ぎていてコワい
最後まで何考えてるかわからなかった
なんで『スパイの妻』かというと妻の聡子にとってはスパイごっこだったから
夫と違って世界が狭く夫がすべてだったお嬢さま夫人の視点で描かれているのでメロドラマ風のサスペンススリラーになっている
自分の幸せのために甥っ子を簡単に売っちゃうしコワい
ドライブ中の聡子の視点や行進する歩兵隊に出会すシーンとかお見事、幻想的な市電、不穏な病室、焼け跡の廃墟など独特の妖しい世界観が好きだな、二人の衣装も素敵だった
主役の二人の演技がすばらしかったのはもちろんだけど東出昌大さんがこの映画の雰囲気にぴったり合っててキャスティングの勝利だと思った