このレビューはネタバレを含みます
ラバーン・コックスがサムネだったので見た。
前半は古い映画やドラマがどんどん出てきて映画史的にも勉強になる。
なるほど、つい最近の作品に至るまで、スクリーン上には恐ろしく残酷なトランスジェンダーの描写だらけである。それも、今も愛されるあの作品やこの作品に、だ。
一方で、かなり昔からトランスジェンダーとして表舞台に出ていた人々も、一握りだが、いた。
有名人となった人、モデルとして活躍した人もいる。ただ彼らの存在や作品とメジャーのフィクション作品の世界とは隔絶している。
そして彼らは、テレビ番組に出ると、いわゆるオネエイジりをされていた。
これは、ちょっと前の日本のバラエティ番組もよっぽど残酷だった。
最近は、オネエと一括りにもてはやされていた中でも、女装家タレント以外あまりTVで見ないから、問題は反省されないまま、水面下に潜った気がする。
一方、ハリウッドには完全にトランスジェンダーであることを隠して成功してきた人々もいる。
つい最近見たハンナ・ギャズビーのスタンダップ「ナネット」での言葉を思い出す。
「時代を間違って生まれるなんて誰にもできない。誰もが時代に反応しているだけ」
今まで色々な人々がいて、そして今のトランスジェンダーのセレブリティ達がいる。
本作の後半では、現在のメディア作品が多く登場し、現代の問題が色々と指摘され、考えさせられる。
トランスジェンダーの子を持つ父親の言葉があまりにも力強くて感動した。
