ノラネコの呑んで観るシネマ

コリアタウン殺人事件のノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

コリアタウン殺人事件(2020年製作の映画)
3.8
アマプラ。
いわゆるファウンドフッテージもの。
コリアタウンの一角で夫婦間の殺人事件が起こり、妻が逮捕される。
たまたま近所に住んでいた男は、事件には第三者が関与しているのではないかと考え、ビデオ片手に街に出て、人々にインタビューをはじめる。
殺人事件の謎を解いてゆく話かと思ったら、さにあらず。
最初のうちは失業中の主人公、というか撮影者が暇を持て余してダラダラビデオ撮ってるだけなのだが、だんだんと陰謀論にハマってゆくんだな。
一度、その考えに囚われると、全てが疑わしく思えてくる。
街の落書きも、ホームレスの支離滅裂な言葉も、自然現象すら自分へ向けた何者かのメッセージにしか感じられなくなってくるんだな。
まあ一応、オカルト的な解釈もできる余地は残してあるが、人はなぜ陰謀論者になるのか、そのプロセスを描いた作品として結構興味深い。
アプローチの異なる、もう一つの「アンダー・ザ・シルバーレイク」という感じ。
出来の悪いホームビデオみたいな最初の20分くらいはキツイが、作品の狙いが明らかになってからは結構面白い。