味噌のカツオ

シュシュシュの娘の味噌のカツオのレビュー・感想・評価

シュシュシュの娘(2021年製作の映画)
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入江悠監督が、コロナ禍で厳しい経営状況のミニシアター救済を目的に、クラウドファンディングで資金調達して製作した自主映画。

冒頭、ちくわをグツグツ煮込むシーンがあるのですが。
我々世代からすると、ちくわ→獅子丸→忍者ハットリくん…というわけで。
なんなら“シュシュシュ”という手裏剣飛ばす音のイメージも手伝って 忍者を想起させるアレはあるんだけど。

実際のところ、ちくわには別に武器としての意味合いがあったようですが。

主演は福田沙紀。どうやら大人の事情というヤツなのか、近年目立った活躍はされていなかったけど、大きな目に引き付けられて、とても魅力的でした。
ただ、忍び由来なのか(?)特に序盤は あまり顔をハッキリ映していなくて、ヤキモキ。これは宇野祥平演じた祖父にも言えることだけどね。

ストーリーの軸となるのが 文書改ざんに絡む自殺事案。
これはもう、言わずと知れた実際の出来事そのまんまであって。

昨今の政治に一矢を…という社会風刺は良かったし。福田沙紀さんが見られたのも良かった。
でも 恋愛要素やイマイチなギャグとか 少々余計なものを入れ過ぎて、雑な印象も無くはないかなと…いや待てよ。

この映画って そもそもミニシアター救済の企画だったんでしょ。
であるなら、もっと「頑張ろう ミニシアター」の雰囲気があっても。もっと“映画”に寄り添った内容の企画ってできなかったのかな?
作中 深谷シネマが登場しますが、それだけって感じがするし。

政界の悪党を成敗するも大切なことだけど、それだと違う方面のメッセージが強すぎて。
それであるなら、もっとイチ映画ファンが楽しめるような日常を描くとか。そんなテーマでも良かったんじゃないかな。
味噌のカツオ

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