「ンなアホな!」を真面目に本気で作った快作である1作目から「アサイラムじゃないのにナゼにGOサインが出たのか謎」ないわゆるジャンル化した"サメ映画"の類いと比べてもパッとしない2を経て…経てというか"マサカの"と言った方が良いかも知れない3作目の登場である!
もちろん2に続きワーナーホームエンターテイメント=NO劇場公開なDVD作品だ!
正直言って1作目ファンだけならず サメ映画というジャンル好きでもポジティヴシンキングな人でないとホメるにはあまりにも色々と弱い2作目の"堂々とした続編"なのがもはや潔い!
しかも2の弱点に気付いたのか、今回はしっかりと《サメ映画》に戻して来た!
(↑こう書いた理由については2作目の感想を読んで頂ければ幸いです)
1作目が偉大過ぎるがゆえ低予算なりに"おんぶに抱っこ"で設定や舞台を構築したという2の悪手を引き継がず、舞台設定からガラッと…は言い過ぎだが結構変えた今作はしっかり《サメ映画》である。
前作の様なストーリー展開の「ナンじゃコレ?」感も減り、『サメ映画を観たい!』という目的で借りたらソレ相応の期待に応えてくれている出来と言っても良いだろう。
(もちろんサメ映画が好きだ!という人向けと前置きしての話だがw)
…ただ、ソレはあくまでもジャンルとしてのサメ映画を期待した場合である。
「今度こそディープ・ブルーを!」というモチベーションで観た時に鑑賞したファンを唸らせるパワーがあるか?と言われれば…
残念ながらソコまでは行っていない。
(まぁ低予算&ジャンル化に振ったのだから割り切れればクリアできるとは言えるのだがw)
何と言ってもディープ・ブルーはクイズ番組でドヤる高学歴タレントの様な上から目線で人間を襲うIQザメが敵であり、映画的にダメダメな2作目でもその片鱗は若干あった。
もちろん今回も「ンなアホな!」級のクレバー(?)な攻撃は繰り出されるワケだが、いかんせんその行動や攻撃は
ジャンル系サメ映画に出て来る〈"ンなアホな!"タイプのサメ〉の範囲内
なのですよ。
正直言ってジャンル系サメ映画におけるアイツらは相当数な作品で相当数が無茶苦茶やりやがる、見かた/言い方を変えれば〈頭が良い〉のです!
ただその頭の良さ、1作目の頭脳明晰とはテイストが違うのですよ。
つまり…
今作は軌道修正がウマく行って2作目より面白くはなったものの、過去作より普通なジャンル系サメムービーになってしまった。
…とも言えるワケですわ。
コレがチョイと寂しくもある。
やはりハイテンションなエンタメパニックムービーを真剣に作った1作目は偉大。
それゆえにどうしても高IQサメ演出が他のサメ映画と同位置になってしまった点だけは残念であった。
もし仮に次回作も作るのであれば、
「このサメ、全くもってムカつくが、それでこそディープ・ブルー!!」
と言いたくなるぐらいのデキるサメとして再臨する事を願う。