モールス

インファナル・アフェアII 無間序曲のモールスのレビュー・感想・評価

4.0
衝撃的だった「インファナル・アフェア」の第1弾。ヤンとラウの息詰まる攻防が素晴らしい名作でした。第2弾である本作は、時代を過去に戻します。若かりし頃のウォン警部(アンソニー・ウォン)と、マフィアのサム(エリック・ツァン)が再登場して、サムがマフィアの首領になるまでの抗争劇として制作されました。皆さんのレビューでも紹介されてますが、香港の「ゴッド・ファーザー」という形容が相応しい作品です。前作で助演だったアンソニー・ウォンとエリック・ツァンの相変わらずの好演が光ります。二人ともに本当にオーラのある役者さんです。

事の発端はマフィアのボス、ンガイ・クワンの暗殺されたこです。香港マフィアに激震が走ります。そこでクワンの跡継ぎになったのが、次男のハウでした。
クワンの生前に配下にあった下部組織の親分たちは虎視眈々と香港マフィア界トップの椅子を牽制します。しかし生き馬の目を抜くような親分たちなので、互いに隠し事を持ってます。そこを巧妙につき、彼らの結束を解いたハウのインテリジェンスさが、ゴッド・ファーザーのマイケルと重なります。
また、ハウは自分の組織内部に潜入している警察のスパイを容赦なく射殺する冷酷さも併せ持ってます。このマフィア界に現れた新星の動向を見ながら、他の登場人物たちが虚々実々の駆け引きを繰り広げます。

サムはハウを信用できるかどうか迷ってました。ハウの傘下に入るか?ハウを抹殺して、香港マフィアのドンになるか?

ウォン警部はマフィア抗争を警戒して、ハウの逮捕と組織崩壊へと動いていきます。

ヤンとラウの当時の立場は、それぞれに複雑な立場です。ヤンはハウの異母兄弟、ラウは親分サムの女マリーに横恋慕。まだ駆け出して感じで存在感が薄かったでしょうか?

終盤になると盛り上がります。ハウの一家が父ンガイの死を悼む盃を交わすシーンなどは、マフィアの義を描写してます。
その時にハウを挑発するウォン警部の闘争心は迫力抜群。
サムがハウを上回るために築き上げた人脈はマフィアとは何かを観る者に伝えてます。
とにかく、マフィアに絡んだ者は全て屍の上に乗って生きていく熾烈さを感じさせてくれました。

第1弾があまりに良かったので、第2弾の出来を心配してました。本作も十分見応えがあります。これも良作です☆
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