Inori

ヘイターのInoriのレビュー・感想・評価

ヘイター(2020年製作の映画)
3.1
ひねくれた主人公がどんどんひねくれていき、周りを巻き込み不幸へ貶めておきながらも静かに生き続けるというような作品はこれまでどこかで何度も観てきた気がする。観客は主人公には完全に共感はできないものの、それでも少し彼の気持ちは分かるし、同情さえしてしまう。現在のSNSの構造、人々の心に宿る「ヘイト」がどのように生み出され利用され、社会を侵食していくのかが描かれている。例えば、エリート階級に生きる人が本当に悪なのかとか(意外にピュアだったりただ知らないとか気づいてないところがある)、下層から這い上がろうとするが故に、嘘が上手かったり人当たりが良かったりするところは、それは生きるための術なんだなぁとこの映画を観て思った。でもそれをエリートは見抜くし、また下層のものを押し込めようとする構造もあったりするのだ。なかなか色々考えさせられる作品。
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