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ノマドランドのsundayのレビュー・感想・評価

ノマドランド(2020年製作の映画)
4.0
砂漠のなかの工場が閉鎖され社宅を失ったファーン。60過ぎて社宅どころか町もろとも無くなり、郵便番号さえ抹殺されたのだ。夫もガンで失い、バンで漂流するノマドとなる。アマゾンや自然公園や食堂で働いては旅をする。

ファーンの姉は普通の家に住んでいる。姉は家を出て好きな人と結婚したファーンを少しうらやんでいる。1人荒野を旅するファーン、西部の砂漠の広大で荒涼とした自然に人間は小さい。広大な自然と対峙するファーンを見て途中で急に涙が溢れてきた。何か自分のこれまでのとっておいた本とか現役時代の資料とか全部捨ててしまおうと思った。でもファーンはある意味自由だ。介護する親がいない自由がある。

旅が続き、ファーンは遺しておいた家財も処分する。無人となったかつての町、がらんどうの自分の家に戻ってみる。家の裏は砂漠へと続く。砂漠だけど、ファーンの広大なこれからの人生が広がっているような気がした。第一の現役時代が終わっても、老後というのでなく、年齢を重ねた別の人生がスタートしてるのではないかと。先立つお金の有無で左右されるけど。

バッドランドの山々がすごい。広大なアメリカ西部。岩の大地。

フランシス・マクドーマンドのくじけない個性が光る。

原作「ノマド: 漂流する高齢労働者たち」ジェシカ・ブルーダー 2017

映画HP
https://searchlightpictures.jp/movie/nomadland.html


2021アメリカ
2021.3.26劇場で
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