大阪の感染者数が増えて、しばらく映画館行けないわ…としょげてたら母親が車で送り迎えをしてくれて観た映画。
ノマドランド。
私にとっても映画にとっても車が重要な役割を担ってた。
ずっと胸の奥をぎゅーーーと掴まれるような感覚で観た。
郵便番号をずっと暮らしてきた人の気持ち無視で抹消されるって、ちょっと考えられない。
そんなに夜のシーンが多かった訳でもないはずなのに、観終わってからやけに暗く寂しいトーンの映画だったような印象を覚えていて、それはファーンの喪失感がそうさせていたのかなと思ったり。
でも、本当は自分の何もかも、誰も消せない。喪失感さえ、自分のもので、車に詰める。
人間の過去は郵便番号じゃない。
なんでも自分で決められる。
そんなふうに考えてた。
ハリウッド！エンタメ！という大衆に向けてつくられた映画じゃないことは明白だけど、ロウソクの火をそっと分け与えるように確かに、伝わる人間の温度を感じる映画だったな。
