芹沢由紀子

ノマドランドの芹沢由紀子のレビュー・感想・評価

ノマドランド(2020年製作の映画)
3.4
おばさんが主人公の作品。
恐ろしくもあり、励まされる部分もある。
自分ももし家族と家を失ったら、こんな感じでたった一人で生きなくてはならないのか・・・・という不安をあおられた。
しかし、逆に、もし何もかもを失っても、こんな風にして生きていくことも可能なのか、安心して落ちぶれられるな、という安ど感ももらった。

ただ、バケツのトイレは嫌だし、バンで寝泊まりするのはやはり(治安面で)恐ろしいのでできれば旅館の中居さんぐらいには落ち着きたい。

あと、自分はまだまだ大自然と一体化するとか、大きな宇宙船地球号の一員、という感覚を持てないので、この作品の良さ(ダイナミックさ)の半分も満喫できていないだろう。

宮古島に行ったとき、吉野浜のビーチで1日の大半を過ごしている半ホームレスの老人と、20代のカップルと一緒に焚火を囲んで過ごしたことを思い出した。
あそこは旅で訪れる場所であり、生活する場所ではないと感じたことを思い出した。

そして、60代(年金受給前?)の女性が、75歳の女性を励まし支えているシーンは、「プラン75」を思い出させた。向こうもいい映画だった。

主人公が、姉の家で姉の仲間の不動産話に、正面切ってリーマンショックの時儲けた側を批判したのかっこよかった。
芹沢由紀子

芹沢由紀子