このレビューはネタバレを含みます
あちこちに擦り傷
まだ癒えぬ切り傷
太く深い過去の傷痕
近寄り声をかけ
触れようとすれば
牙をむき警戒し、
そっと遠くから
見守っていれば
ふとした時自ずと
近寄ってくる。
そしてまた自ずと
去っていく。
時には別れを
惜しむかのように
こちらをじっと
見つめている。
野生動物に似ている。
辛く生々しい過酷、
脆くも強く気高い。
胸がヒリヒリと痛む。
共感、感動でもない
不思議な感覚。
経験や置かれている環境、
その時の心境状況によっても
見る者の感じ方が変わりそうだ。