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ユダ&ブラック・メシア 裏切りの代償のsonozyのレビュー・感想・評価

3.5
祝! アカデミー賞: 助演男優賞&歌曲賞

1969年に警察とFBIの襲撃を受けて21歳の若さで暗殺された、黒人社会運動家・ブラックパンサー党の重要人物だったフレッド・ハンプトンの伝記物語。

ブラックパンサー党イリノイ州支部長だったフレッド・ハンプトン(ダニエル・カルーヤ)は、警官による不条理な殺害や貧困にあえぐ黒人コミュニティ支援のため、敵対関係にあったプエルトリコ人の自衛組織ヤングローズや白人低所得層の政党ヤングパトリオットとも手を組み、レインボー連合を結成。
力強いメッセージ力で党員を増やしつつ、貧困層の子どもたちに無料で食事を提供するなどの活動を推進していた。

フレッドのカリスマ的指導力を脅威とするFBIや地元警察は、フレッド・ハンプトンを封じ込めるべく、17歳でFBIになりすまし車を盗んでいたウィリアム・オニール(ラキース・スタンフィールド )に、重罪を取り下げる&車や金銭授与と引き換えに、ブラックパンサー党に入党し内通者として活動するよう取引。

ハンプトンや党上層部の運転手的なポジションとなったオニールは、 FBI捜査官ロイ・ミッチェル(ジェシー・プレモンス)から、ブラックパンサー党やハンプトンがいかに危険かを刷り込まれ、情報提供を続けていく・・・

ハンプトンを演じたダニエル・カルーヤは、アカデミー賞、ゴールデングローブ賞、全米映画俳優組合賞、BAFTA賞で最優秀助演男優賞を受賞。確かに演説のシーンの迫力など良かったですが、期待していたほどではなかったかも。

あれ?彼は助演なのか・・・
『Judas and the Black Messiah』の通り、Judas(イエスの弟子の1人でありながらイエスを裏切ったユダ→オニール)と、Black Messiah(黒人の救世主→ハンプトン)という事で、オニールが主演なんですね。実物のオニールのインタビューも出てきます。

ハンプトンが暗殺された現場にいた19歳の妊娠8ヶ月の妻デボラ・ジョンソンはその後無事出産。息子フレッド・ハンプトンJr.は、Black Panther Party Cubsの代表として現在も活躍しているという。
ラストは、デボラ・ジョンソン(現在はAkua Njeriに改名)と二人で並ぶ写真と、ハンプトンの演説シーンも。
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