このレビューはネタバレを含みます
ドキュメンタリーのような臨場感ある映像で、物語が進むにつれ、見入ることができた。
1995年と今からたった30年程前の事とは思えない悲惨な出来事。映画では、直接的な暴力描写は少ないものの、どうなるか知っている分観ていて苦しい。
アイダは、とにかく自分の家族だけでも助けようと必死に動き回る。最初こそ、夢ではミスコンの様子を見ているが、楽し気なシーンはここのみ。あとは、笑っているシーンでももはや精神が崩壊しそうな状態の笑い。
非常事態に自分勝手なように思えるアイダだが、誰もが自分の大事な人にだけは助かってほしいと思うはず。脇目も振らず、それをそのまま行動に移しているだけなのだ。
いまだ世界中で、このような惨状はあるわけで、それを改めて知らしめられる。
家族を無残に殺されても敵のいる故郷に戻り、教育に尽力することを選んだアイダ。学校には、故郷をめちゃくちゃにし家族を殺した者が保護者として存在する。しかし、子ども達の目は純粋そのもの。この子達が未来を作る。そう考えたら、復讐なのか神のような気持ちなのか、もはや分からないが、とにかく子ども達を真っ当に育てる事が唯一の希望だと感じるかもしれない。