ナカグロが無い方の「ビューティフルドリーマー」。
これは……一体どう観たらいいんだろうなあ……w
押井守が書き下ろした原案「夢みる人」を本広克行が撮った、学祭にむけて映画製作に臨む映画研究部の大学生たちを描いた青春映画……というのが一番「外側」の情報なんですが、その学生たちが撮るのは部室で発見された「撮ると必ず何かが起きて完成しない」とかいう曰く付きの台本&構想ノートの「夢みる人」(表紙には垂れ耳犬のイラスト付きで「犬」という作者名らしいものあり)で、しかも撮影場面を見ている限りその内容はどう見ても「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」そのものだったりします(辛うじてキャラクターの名前だけは捩ってありますが)。
そして撮影が進むにつれ、その映画の場面やセリフと現実の状況がオーバーラップするようなシチュエーションが増えていき、観ている方もだんだん一体今誰視点で何を観ているのか曖昧に思えてきて……というような何重もの入れ子構造が仕掛けられており、最後まで観ても(結局「夢みる人」ってなんだったの……?)と狐につままれたような気分になる、そんな奇妙な味わいのある映画だったように思われます。
(そういう意味では「めっちゃ押井っぽい」のか……?)
私はオシイスキーで「うる星2」の方も最近再鑑賞していたので色々小ネタも含めて楽しめましたが(うる星の相関関係図的な所に混乱して確認し合ったり、「責任とってね」の解釈に言及したりしてたのは笑いました)、これもし文脈を知らない人が観たら果たして一番外の枠通りに「映画製作青春映画」として見えたりするんでしょうかね?w
本広監督といえば「踊る」を始めとするヒットメーカーのイメージですが、そんな監督が撮ったB級感というかインディーズ映画感のある、ある意味「邦画らしい」楽しさのある映画だったのではないかと思います。
秋元才加の「もうこれ本人でしょ」レベルのサクラ先生モノマネとか、ゴーカイシルバーとかエグゼイドが出てたりするキャスティングとなりきり演技も見どころw