イチロヲ

ブラック・スネーク・モーンのイチロヲのレビュー・感想・評価

3.5
敬虔なキリスト教徒の男(サミュエル・L・ジャクソン)が、セックス依存症の女性(クリスティナ・リッチ)に荒療治を施そうとする。孤独な人間同士の慰め合いと自己実現を描いている、エロティック・ドラマ。

一見すると、シリアル・キラー系の拘禁劇と勘違いしてしまいがちだが、その実態は至極真っ当な人間ドラマ。キリスト教徒と色情狂の直接対決(エクソエロチシズム?)を根幹にしながら、女性が内包させている「魔性と聖性」の表裏へと落としていく。

ヒロインを演じているクリスティナ・リッチは、時期的に乳房を縮小させるための美容整形を終えた頃だと思われるが、十分過ぎるほどグラマラス。鎖で縛られたネーチャンが、パンツ一丁でどうにかなっちゃうという絵面だけでエキサイト必至。

物語に抑揚がなく、クライマックスまでボケーっとした鑑賞を強いられるが、「寂しい気持ちを癒してくれる存在とは?」「自分にとっての神的存在とは?」を提起してくるシナリオ展開が素晴らしい。
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