吉田康平

ワイルド・スピード MEGA MAXの吉田康平のネタバレレビュー・内容・結末

ワイルド・スピード MEGA MAX(2011年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

前作に引き続きストリートレースやカーマニアの要素は徐々に排されており、また、過去の作品で主人公と協力関係を結んでいた人物が多く再登場していることもあってチームアクション的な性格が強調されています。

裁判で懲役25年の判決を言い渡され護送されるドミニク・トレットでしたが、その護送車を複数の車が取り囲みます。相棒のブライアン・オコナー、妹のミア・トレットらの手引きにより護送車からの脱出に成功し逃亡したドミニクと、それを幇助したブライアン、ミアは国際指名手配されることとなりました。

ブラジル・リオデジャネイロに逃亡したブライアンとミアは、そこでかつての仲間ヴィンスと再会。ヴィンスから仕事を持ちかけられ、麻薬取締局が押収した車を盗むことになります。その仕事には別れて逃亡していたドミニクも参加しており、3人は再会を喜びます。走る列車の貨物車から車を運び出した一団でしたが、仕事を持ちかけてきたヴィンスの仲間が突然襲いかかり、ブライアンとドミニクは捕らえられてしまいます。

捕らえられた2人の前にエルナン・レイエスという男が現れ、ミアとともに消えたフォード・GT40の行方を聞き出そうとします。レイエスの脅迫をやり過ごし、なんとかミアのもとへ帰還した2人は、GT40に搭載されたカーナビゲーションのチップの存在に気づきます。そこには悪徳実業家としてリオを牛耳るレイエスの闇金の流れが記録されていたのでした。

その頃、姿を現したドミニクとブライアンを追ってアメリカ外交保安部(DSS)の捜査官ルーク・ホブスがリオに降り立ちました。ホブスは現地での通訳兼追加捜査員としてエレナ・ネベスを指名します。エレナは土地鑑を活かしてドミニクたちの行方を特定、翌朝ドミニクたちを急襲します。そこへ同じくドミニクたちを追うレイエスの部下たちも現れ、3者が入り乱れる銃撃戦に発展。辛くも2者の追跡を振り切った後、ミアは2人にブライアンとの子供を身籠ったことを打ち明けます。新たなファミリーの誕生を喜んだその夜、ブライアンはドミニクに新たに生まれる子供のためにも犯罪から足を洗いたいと相談します。ドミニクは妹家族が平穏に暮らすため、「最後の仕事」としてレイエスの闇金1億ドルを強奪することを計画します。

計画遂行のためにはチームが必要でした。マイアミでブライアンとコンビを組んだローマン・ピアースとそのサポート役を担ったテズ・パーカー、ドミニカでドミニクとガソリン強盗をしていたハン・ソウルオー、テゴ・レオ、リコ・サントスに、元麻薬組織員のジゼル・ヤシャールと、かつての2人の仕事仲間たちがリオに集結します。

10ヶ所に及んで隠されている金を全て奪うという計画の無謀さに呆れるファミリーでしたが、ドミニクの計画はまず1ヶ所を襲い、あえて「他も襲う」と宣戦布告することで散在する金を最も厳重な1ヶ所に集めさせるというものでした。ドミニクらの襲撃を伝え聞いたレイエスはドミニクの思惑通り、金を1ヶ所に集めるよう部下に指示する。しかし、その「1ヶ所」とはなんとレイエスに買収されたブラジル警察署内の巨大金庫でした。ラジコンによる潜入、監視カメラのクラッキングなどにより、厳重な監視網を突破する方法を模索するファミリー。高性能の監視カメラを振り切るため、警察署内において「透明な車」となる即ち警察車両を強奪して準備を整えていきます。

一方、ホブス、エレナらは、1件目の強盗の捜査からドミニクのダッジ・チャージャーの情報と新たに集まったファミリーの入国を掴んでいました。情報を掴まれていることに気づいたドミニクらは、ストリートレース会場にホブスらを誘き寄せ、ドミニクがホブスを挑発する間にテズが装甲車に発信機をつけます。ブラジルのレーサーたちに囲まれたホブスらは形勢不利と判断し一旦引き下がります。

決行前日、市場にいたミアをレイエスの部下が襲います。しかし、そこへヴィンスが駆けつけ、無事にファミリーのもとへ送り届けます。レイエスの部下と組み、事実上仲間を裏切ったとしてドミニクに見捨てられていたヴィンスでしたが、再びファミリーに戻り計画に加担。その夜、ファミリーは計画成功祈願とミアの妊娠祝いの杯を交わします。

計画当日、発信器の位置情報からホブスらが街の反対側にいると見たファミリーたちは出発の準備を進めますが、そこへホブスらが突入します。ホブスは発信機の存在に気づいており、さらにそれを逆手にとってファミリーのアジトを特定したのでした。あえなく捕縛されてしまったファミリーでしたが、連行中、計画を知ったレイエスの部下たちの襲撃に遭い、ホブスのチームが全滅してしまいます。ドミニクらの助けによって一命を取り留めたホブスは、部下を殺したレイエス、そしてそのレイエスとの癒着に甘んじるブラジル警察への怒りからファミリーへの協力を決意します。

警察車両を盗んだことから計画が知られたため、既に立てていた計画は使えません。まず、ホブスの装甲車で警察署に正面から突撃し、駐車場と壁を隔てて隣接する証拠品倉庫にある金庫まで辿り着きます。金庫を牽引リールで繋いだドミニクとブライアンは、それぞれ運転する二台のチャージャーSRT-8で金庫を引っぱり出し、そのまま金庫を引きずりながらリオの市街を駆け抜け警察やレイエス一味とのカーチェイスを繰り広げます。ファミリーのサポートもあって大勢の追っ手を振り切りレイエスを倒した2人に対し、ホブスは少しの猶予を約束し再戦を誓い合います。

無事1億ドルを手に入れたファミリーは、やがて思い思いの人生をスタートさせます。これを最後に足を洗うと決めたブライアンはドミニクとの最後のレースに挑むのでした。

ミッドクレジット。DSS本部のホブスの元にFBI捜査官のモニカ・フェンテスが現れる。モニカが持参したベルリンでのハイジャック事件の捜査資料には、死んだはずのレティ・オルティスの資料が挿入されていました。

カーレースは前作からかなり少なくなりましたがアクションや、なによりも僕の大好きなチームアクションがワイスピで観れたのはとてもよかったです。ストーリーも今までのシリーズの中で1番明確でした。ドムがホブスを助けるシーンには感動すら覚えました。
唯一難点をあげるとすれば、今回も吹替版で観たのですが、エレナ役の声優の方がこれまた前作のジゼル役同様、棒読みだったのが残念でした。
吉田康平

吉田康平