ShojiTaniguchi

ママは世直しヒーローのShojiTaniguchiのレビュー・感想・評価

ママは世直しヒーロー(2020年製作の映画)
1.6
NETFLIXオリジナルの映画の多くには良い意味でのB級感があり、気楽に観られそうな映画をと思い観賞したが、主に悪い意味で期待を裏切られた作品だった。

経済的に楽ではないながらも愛する家族と慎ましく暮らしている一般人の女性を主人公に、実は彼女には長年隠されてきた超能力が備わっており、同じような境遇にある人物達も現れて… という導入部分は面白い。
ただ、そのあとの展開がどうにも真面目というか、率直に表現すると地味で、そのまま盛り上がりもなく、驚くような脚本的ツイストもなく、かつ中途半端に続篇もできるよね的なところだけ壮大な感じで終劇してしまい、物語に没入できるタイミングがなかった。

主人公が一般人としての日常で抱えていた経済的な問題の解決の仕方が驚くほどモラルに欠けていたり、全篇を通してその行為についての因果応報も特にないので、むちゃくちゃ悪いことしておきながらお咎めなしでええんかいなという気持ちになってしまい、感情移入がとても難しい。

原題は「FREAKS (変種・奇人)」で、主人公たちを直球で形容するタイトルとなっているが、邦題の酷さは明らかで、そもそも主人公が世直し活動をするシーンも、題名から感じられるコメディタッチなシーンも、劇中にはほぼ存在しない。
この邦題で最終決定する前に誰か止める人は本当にいなかったのだろうかと思う。
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