ShojiTaniguchiさんの映画レビュー・感想・評価

ShojiTaniguchi

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REBEL MOON ー パート2: 傷跡を刻む者(2024年製作の映画)

3.2

ザック・スナイダー監督作品のファンなので、前篇を観賞した時に感じた、世界観・演出・キャラクターに対する既視感と不安を払拭してくれることを期待して、公開初日に観賞した。

黒澤明の「七人の侍」に強くイン
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フォーガットン(2004年製作の映画)

3.1

数あるハリウッド映画の中で、良くも悪くも想定外の展開や種明かしがある作品として話題にあがることが多いこの映画を、そろそろ自分も観てみようという気持ちで観賞してみた。

不幸な事故で子を失くし精神不安定
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マダム・ウェブ(2024年製作の映画)

2.2

MARVEL関連作品でありながら、Disneyが展開するMCU (Marvel Cinematic Universe) ではなく、SONY配給のSSU (Sony's Spider-Man Unive>>続きを読む

ママは世直しヒーロー(2020年製作の映画)

1.6

NETFLIXオリジナルの映画の多くには良い意味でのB級感があり、気楽に観られそうな映画をと思い観賞したが、主に悪い意味で期待を裏切られた作品だった。

経済的に楽ではないながらも愛する家族と慎ましく
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タイム・トゥ・ラン(2015年製作の映画)

4.0

隠れた良作という評判を読んで観賞したが、脚本にも演出にもしっかり見どころがあり、楽しい映画体験ができた。

主人公はカジノで働くディーラーで、やむにやまれぬ事情で大金が必要になり、カジノの金庫からの現
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月影の下で(2019年製作の映画)

2.9

9年ごとに起きる不可解な殺人事件の犯人を捉えようとする警官を主人公にした追跡劇にSF的設定を組み込んだ脚本で、最初の事件が発生する冒頭パートの掴みの演出がとても上質で惹きつけられた。
が、全篇に渡りい
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FALL/フォール(2022年製作の映画)

3.2

打ち捨てられた超高層TV塔に登った女性達がその頂上で取り残され、どうやって地上へ生還する手段を見いだすか、という極めてシンプルな設定の映画で、終劇まで退屈することなく鑑賞できた。

TV塔への登頂に挑
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ザ・スーサイド・スクワッド "極"悪党、集結(2021年製作の映画)

4.4

世間的にあまり評価が芳しくなかった同タイトルの最初の実写映画作品の、ある意味リブートでもありつつ続篇として解釈することもできる形で物語が成立しており、かつDCが展開している (正確にはしていた) シネ>>続きを読む

search/#サーチ2(2023年製作の映画)

3.3

映画全篇がラップトップ・スマホ・スマートウォッチ・監視カメラ等のウィンドウの中で描かれるという、仮にひらめいても誰もやらないような演出を本気でやってみた的なシリーズの2作目。

よくそんな描き方が思い
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10 クローバーフィールド・レーン(2016年製作の映画)

3.7

クリフハンガー的に物語の風呂敷を広げる手法が天才的に上手い (ただし畳むのはそれほど上手くない) J・J・エイブラムスが仕掛け人のクローバーフィールドシリーズには、他篇との世界観的な繋がりが示唆されな>>続きを読む

ゴーストバスターズ/アフターライフ(2021年製作の映画)

4.0

80年代に大ヒットした2作の直接的な続篇ということで、旧シリーズの登場人物達からの世代交代と継承を脚本の軸にしつつ、初期2作の綺羅びやかなニューヨークからオクラホマ州の片田舎へ舞台を移してのコンパクト>>続きを読む

ファンボーイズ(2008年製作の映画)

4.7

スター・ウォーズシリーズと、ジョージ・ルーカス監督がこれまで世に送り出してきた映画のファンであればあるほど、この映画が愛しく感じられ、高く評価するはず。
加えてスター・トレックシリーズも好きな人であれ
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隔たる世界の2人(2020年製作の映画)

4.3

人類がいつか乗り越えなければいけない人種差別問題について、理想とはほど遠い現状を鑑賞者に叩きつけ、これが私達がいま生きている世界なんだと訴えかけてくる映画だった。

主人公に痛ましい結末が訪れる度に時
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エターナル・サンシャイン(2004年製作の映画)

4.2

名作といわれるミュージックビデオやTV-CMを多数手がけてきたミシェル・ゴンドリーの監督作品ということで、監督の持ち味であるシュールなアナログセットを用いた大胆な演出に期待して鑑賞したが、期待通りの画>>続きを読む

ダムゼル/運命を拓きし者(2024年製作の映画)

2.8

この映画は「勇敢な王子と可憐な姫」だったり「闘う男たちと守られる女たち」といった前時代的な物語ではない、と冒頭ではっきりと前置きされる通り、搾取される立場に甘んじてきた女性の主人公 (と他の女性たち)>>続きを読む

ミッドナイト・スカイ(2020年製作の映画)

3.0

俳優やプロデューサーとしては多くの人に超一流と認められつつ、監督すると常に微妙ともいわれがちなジョージ・クルーニーが手掛けた作品ということで、期待と不安と半分ずつで鑑賞した。

ジャンルはSF、既に文
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ガンズ・アキンボ(2019年製作の映画)

3.3

いかにも荒唐無稽で漫画的な設定と脚本だが、映画のかなり序盤でこの作品のリアリティラインはここでーすという提示があるので、そういうものだと理解したうえで楽しめる作品だった。暴力描写はけっこうエグいので、>>続きを読む

SISU/シス 不死身の男(2022年製作の映画)

3.9

これまでほとんど観たことがないフィンランド映画で、前評判も高かったので期待して観たが、期待以上の面白さだった。

時代は第二次世界大戦末期、舞台のほとんどは荒野で、華々しさも賑やかしもないストイックな
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ザ・ウォード/監禁病棟(2010年製作の映画)

3.7

80〜90年代に数々のB級ホラー映画を世に送り出してきた巨匠、ジョン・カーペンター監督による比較的最近の作品ということで期待して鑑賞したが、良い意味で全盛期と全く変わっていないその王道的な (ありがち>>続きを読む

殺人の追憶(2003年製作の映画)

5.0

自分にとって初めて本格的に鑑賞した韓国映画で、今や世界的にその才能が認められたポン・ジュノ監督のキャリア初期の作品。韓国で実際に起きた痛ましい事件をベースとした脚本の構成力や演出の凄みに圧倒された。>>続きを読む

クローバーフィールド・パラドックス(2018年製作の映画)

3.9

クリフハンガー的に物語の風呂敷を広げる手法が天才的に上手い (ただし畳むのはそれほど上手くない) J・J・エイブラムスが仕掛け人のクローバーフィールドシリーズには、他篇との世界観的な繋がりが示唆されな>>続きを読む

MEN 同じ顔の男たち(2022年製作の映画)

2.0

アレックス・ガーランド監督の、全てを説明してしまわず鑑賞者に想像の余白を残す作風には強い作家性があり稀有な存在だなと思いながらも、この作品は個人的にはあまり面白いと思えず、少し残念だった。

序盤から
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スペースマン(2024年製作の映画)

3.5

この映画の監督のヨハン・レンクが手掛けた「チェルノブイリ」が衝撃を覚えるほどの傑作だったので、史実ベースではないこのSF映画はどんな物語になるのだろうと期待しながら鑑賞した。

広大な宇宙を舞台にしな
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CODE 8/コード・エイト Part II(2024年製作の映画)

3.2

シリーズ1作目に掘り出し物的な面白さがあったのでこの続篇も期待しつつ観たが、1作目の方が良かったかなあと感じてしまった。

X-MENの設定にも通ずる、超能力者が不当に虐げられている世界というSF的設
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バッドランド・ハンターズ(2024年製作の映画)

3.6

冒頭から終劇まで安定感のある面白さで、茶目っ気のある笑いどころも含めて楽しみながら鑑賞した。
序盤で何箇所か微妙に演出が軽いかなと感じるところがあり、ハードな世界観とこの軽妙さのギャップでコント的にな
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LEGO(R) ムービー(2014年製作の映画)

4.2

世界中の家庭にけっこうな確率で存在している、もしくはしていたであろうLEGOブロックの意匠を全面的に用いた演出の完成度の高さに驚かされた。

LEGOで遊んだことがある人ならよく分かるLEGOあるある
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アクアマン/失われた王国(2023年製作の映画)

3.8

シリーズ1作目で爆発的なまでに発揮されていたジェームズ・ワン監督の外連味あるカメラワークの演出センスはやや抑えめに感じられたものの、この2作目も単品映画として観ればとても完成度の高い映画だった。
大ス
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ミッチェル家とマシンの反乱(2020年製作の映画)

3.9

冒頭から終幕まで飽きたり中だるみするところなく、楽しい気持ちで鑑賞した。
かといって終始ハチャメチャなアクションやドタバタが続くわけではなく、物語全体を通しての緩急の演出設計のレベルがとても高い。
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ガタカ(1997年製作の映画)

5.0

90年代末に公開された寓話的なSF映画だが、21世紀に入ってからの遺伝子工学の加速度的進化と、そのスピードに追いつけない人類の文化的・生物学的なモラルの進化の問題が予見的に描かれている。
そのテーマは
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ソウルフル・ワールド(2020年製作の映画)

4.2

主人公のジャズピアニストが持つ葛藤や願望にとても共感でき、また主人公が別世界で出会う自分の人生の指針が見いだせないキャラクターにも同じぐらい共感できた。
ピクサー作品は全般的に、一目で分かるハイレベル
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ヴァチカンのエクソシスト(2023年製作の映画)

3.4

登場人物や舞台が物語の成立に必要な最小限で構成されていながら、どのキャラクターにも個性と役割がきちんとあり、シーンごとの画の見せ方もオーソドックスではあるが丁寧に決まっていて、終劇までしっかり面白い作>>続きを読む

THE WITCH/魔女 —増殖—(2022年製作の映画)

1.5

3部作構想だと知り、1作目を観ていたこともあってこの2作目も鑑賞した。
アクションシーンの斬新さや過激さを作品の見どころにしたいのだろうと分かり、いくつかへえと感じたシーンもあったが、そういった部分以
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CODE8/コード・エイト(2019年製作の映画)

3.6

あまり観たことがなかったカナダのSF映画なので、期待と不安半分ずつで鑑賞した。ハリウッド映画のような景気のいい爆発やスペクタクルはほとんどなかったが、世界観や脚本、登場人物達の背景がしっかり実直に作ら>>続きを読む

ザ・キッチン(2023年製作の映画)

2.3

俳優として注目しているダニエル・カルーヤの脚本・監督作品ということで、どんな物語が描かれるのか期待して鑑賞した。
個人的には面白いなと感じるシーンや演出がいくつかあったけれど、映画作品としてはやや完成
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ミュータント・タートルズ ミュータント・パニック!(2023年製作の映画)

4.8

近年のアニメーション表現の革新的な進化の例としてあげられるスパイダーマン: スパイダーバースシリーズの輝きの影響でこの作品が損をしているように思うけれど、これもまたアニメーション史に残るレベルの革命的>>続きを読む

彼方に(2023年製作の映画)

3.4

主演のデヴィッド・オイェロウォの迫真の演技がこの短篇作品の成立を明らかに下支えしていると感じた。ほぼ表情だけで主人公の様々な感情の移ろいを描き切っているラストシーンは特にそれが顕著。
ただ、良くも悪く
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