つるみん

ベイビー・ブローカーのつるみんのレビュー・感想・評価

ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)
4.0
【🤜🤛】

今年一番観たかった作品。
IU様を劇場のスクリーンで拝められた。
是枝ちゃんに感謝。

まず、キャスト半端ないよね。
全員が主演を経験した事のある役者陣。さらに脇役も固い。本当によく集められたなと。韓国映画好きからしたら奇跡ような作品。

これまで何度もそしていろんな角度から〝家族〟を描いてきた是枝監督。しかしどれも既に完成された家族や疑似家族であり、本作のようにゼロの状態から未完の疑似家族は、これまた新しい。
本作、たしかに題材としてもダークな部分はあるが、どちらかというと温かさにしっとり触れられる。ブローカー側も刑事側も「人間」らしさが出ていた。


ソン・ガンホは、『弁護人』や『密偵』以降から演じるキャラクターにもよるが、また別フェーズの演技をするようになったと思う。『タクシー運転手』や『パラサイト』等、自年齢相応の演技にシフトチェンジしている。分かりやすいのは、セリフとセリフの間にひと演技挟む(所謂オジさんみたいな)これがあるとないとでは雰囲気がまるで違う。自然体そのものになり作風じたいに変化を与える。

カン・ドンウォンは、どうしてもアクションのイメージが強い役者ではあるが、『世界で一番いとしい君へ』で演じた優しい眼差しが再び。また『義兄弟』でソン・ガンホと共演しているだけあって、映画ファンとしては熱い組み合わせ。彼が演じたドンスの矢印が本作の方向性そのままに物語っていた。

イ・ジウン。IU様。彼女をスクリーンで観れるとは。またまたまた暗い役かよと思ったけど、是枝監督は『マイディアミスター』を観てキャスティングしたそう。そりゃ、そうよ、敵役過ぎるもん。IU様が、これでもかと暴言を吐くシーンは、さすがに笑ってしまう。それでも可愛いのがIU様。いや〜今回もめちゃくちゃ良い演技してたよ、皆さん。

ペ・ドゥナは、映画作品では久しぶりな感じがする。刑事役なんだけど、映画のキャラに在りがちな堅物キャラではないのが非常に良い。繊細な演技はもちろんだけど、イ・ジュヨン含め刑事側の雰囲気が良かったから、画面が切り替わっても間が持つし、最終的な着地点も綺麗になる。

釜山から仁川の月尾島まで。
途中、浦項や蔚珍、江陵と上に上がっていく。ジャンルでいうと完全にロードムービー。徐々に疑似家族としての絆が芽生えていく様は誰がどう観てもほんわかするに決まってる。人の〝命〟について、そして人を〝理解〟する事の大切さ。

彼らが選んだ道とは。


1回目は初日の初回。
2回目は舞台挨拶で鑑賞。
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