シネラー

映画 賭ケグルイ 絶体絶命ロシアンルーレットのシネラーのレビュー・感想・評価

3.0
延期を重ねながらも公開された
本作を鑑賞。
前作よりも好きだが、
あくまでキャスト陣の熱演する
キャラクターや世界観が良かった印象。

かつて学園内を混乱させた
視鬼神真玄(藤井流星)が学園に舞い戻り、
蛇喰夢子(浜辺美波)や生徒会長である
桃喰綺羅莉(池田エライザ)を巻き込んだ
ギャンブルを興じていく
物語となっている。
一部は悪ノリし過ぎていると思いつつ、
コメディ要素もふんだんに
組み込まれている事もあって、
終始楽しめる作品ではあった。
終盤における
三つ巴のロシアンルーレットは、
夢子と会長それぞれの狂った部分が
特出されていて面白かった。
前作やドラマ版含めて五月蝿いモブ
と称される鈴井涼太(高杉真宙)も、
終盤では成長とも感じられる要素が
あって良かったと思う。
又、全体的に前作よりも生徒会面々の
描写が多かった事も好きな要因だと
感じられた。
加えて、結末部分の展開は
笑みが溢れる原作要素だった。

本作の敵である視鬼神が小物である事
が本編の中盤で判明している為に、
いまひとつ強敵感は薄かった。
本作のギャンブルが、
全て弱みを握っての恐喝である為、
ギャンブルとしての駆け引き
は無いと言っていいだろう。
最後の見せ場であるロシアンルーレットも、
イカサマが古典的で残念だった。
そのロシアンルーレット自体も、
主要人物が命を落とす訳がないという
メタ的な考えが過ってしまうので、
いまひとつ緊張感は無かった。

正直、原作やドラマ版で
既に社会的な地位や身体の部位、
人と人との関係まで賭けている分、
命を賭ける事自体が薄っぺらく思えた。
加えているオリジナル要素が、
世界観と合っていないと
感じられてしまった。
オリジナル展開の続編をやるなら、
しっかりギャンブルを練って欲しいと
願うばかりだ。
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