tkm930

アイの歌声を聴かせてのtkm930のネタバレレビュー・内容・結末

アイの歌声を聴かせて(2021年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

大変に面白かった……
妙に現実的な、AIというよりも機械技術が発展した世界での小さくて、大きな出来事。
最初はシオンの異様さが際立っていて、そこに感情移入が出来なかった。ただ、妙に人間的なサトミの周囲の人間たちがいるからこそ、シオンの方が純粋であるという矛盾をひときわ強く感じていて、自然と引き込まれる自分がいました。特にゴッちゃんとアヤの話以降はもう、登場人物たちと同じようにシオンのことを好きになっていて、話の展開の上手さを感じました。
その後から、ずっとサトミとトウマのやり取りにやきもきさせられるんですが…やっぱりシオンが捕まるところと、それによって母親が絶望に立たされるシーンは単純に悲しかった。そして、そのあとのシオンの行動原理が明かされる部分は……もうさすがに泣きますよね。AIの愛じゃん…と思い、そんな奇跡もあって良いじゃんと感じて、自然と涙が溢れていました。
ミュージカル映画としては荒削りだとは正直思いましたし優れているものも他にあるとは思いますが、人以外のAIと絡めると、その荒削りさも、まだまだ我々の理解が追いついていない部分も含めて、この粗削りさなんじゃないか、と思いました。
とても素晴らしい作品でした。
ありがとうございます。
tkm930

tkm930