重厚で内省的な大人のドラマ。
愛する人たちを失って生きる意味が見いだせない大学教授の男。
今日こそ死のうと思いつつも、なかなかきっかけを掴めない。
死ぬつもりなので行動はずっと無気力で、人を適当にあしらうことも。友達も多くはないようす。
新しい出会い(とまでは言えないほどの小さな。)もありつつ、少しは笑うこともあったりして、しかしその分一人になると余計に孤独を感じたり。
はっきりとしたあらすじがなく、ひたすら自分の内面を、特に暗部を見つめて終わる。
こんな脚本も書けるトム・フォードはすごい。数々の賞を総なめにしたのも頷ける。
教授に近づく学生役、ニコラス・ホルトが一躍注目を浴びた作品。