りんとん

シングルマンのりんとんのレビュー・感想・評価

シングルマン(2009年製作の映画)
3.1
16年愛した恋人を交通事故で失った、ある大学教授の1日。
亡き恋人との思い出を思い出しながら、淡々とその日を生きる。
こんなに悲しいお話だとは思わなかった…。BGMがまた、悲壮感を助長させる。
台詞が詩的で、不思議な気持ちにさせられる。講義の中で話す「恐怖」について、先生はなにを恐れていたのだろう?

コリン・ファースって、どうしてこんな洗練されたハンサムな英国紳士が似合うのだろう…身につけるスーツもカバンも、家も車も何もかもがスマートで、彼のために存在しているような気がする。
そして乱れた髪も素敵ね。

大学の生徒、秘書、店で出会う青年、元恋人、眼差しや口元がアップで映される。
スローモーションで、仕草を捉えているのだが、その雰囲気が重々しい。
目は口ほどに物を言う…とはいわれるけれど、先生と目を合わせた人物は、彼の異変に気付く。
彼が何を考え、何をしようとしているのか…感じ取ってしまうのだろう。
ゲイの人たちって、目線を合わせるとお互いを感じ取れるものなのかな?
監督がゲイらしいので、その辺りの心理描写がすごくリアル。

彼は自分の最期を迎えようとした。
自分の最期を決めることは、悪いことなのだろうか。自分が望む形で迎えることは、自分らしく死ぬことが出来るような…
「死」について、私はどう思っているのだろう。
りんとん

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