つるみん

キャッシュトラックのつるみんのレビュー・感想・評価

キャッシュトラック(2021年製作の映画)
3.9
【Liver, Lung, Spleen, Heart】

現金輸送会社のトラックのセキュリティガードをしている〝H〟は、強盗に見舞われる中、冷静沈着に物事を判断し、銃さばきも抜群だった。彼は一体何者なのか…同僚は疑い始め、彼の正体を突き詰めていくうちに、ある過去の出来事が関係していた。

ジェイソン・ステイサム主演の本格派クライムアクション復讐劇!!!

待ってた、これを待っていたのだよ!最近はエンタメアクションばかりに出続けていたステイサムだったので、ここで鬼の形相をした彼を見ることが出来たのは非常に嬉しい。
そしてガイ・リッチーとの16年ぶり4度目のタッグという事で激アツな組み合わせ。『ロックストック』『スナッチ』『リボルバー』そして本作。過去のタッグ作品とはまた違った雰囲気で味わえるクライムアクションとなっていた。

予告編を観る限り、ガイ・リッチーらしさはほぼ皆無であったが、しっかり彼特有のストーリーの構成をいじる展開が待っていて、それがある事により後から気付きや驚きが出てくるという面白さがあった。
しかし、気をつけて欲しいのは前作『ジェントルメン』のようなコメディタッチな作風ではないという事。笑わしてくるシーンは一切ない。程よい血飛沫演出で、手抜きなしのノワールな世界をとことん追求していた。哀愁さと不穏な雰囲気を混ざり合わせたような弦楽器が響き渡り、そして終始重低音が鳴り響く。渋いぜ。渋いといえば『ジェントルマン』同様、本作のOPクレジットも最高だった。

ただもう少しステイサムのアクションを見せてくれよ〜とも思ったのは正直なところ。しかしあの比率だからこそ彼のアクションシーンが極めて格好良く見えるというのもあるのだろうなと。

ステイサムの作品を40作ほど観てきたが、上位に入り込む勢いの好みな作品であった。

日本公開は10月予定。
つるみん

つるみん