みきちゃ

シカゴ7裁判のみきちゃのレビュー・感想・評価

シカゴ7裁判(2020年製作の映画)
4.5
アツい。めっちゃよかった。一緒に拳突きあげとくやつ。うおおおおおぉぉぉって気持ちで満たされてエンドロールを眺めるやつ。

ジョンソン大統領のスピーチに始まる怒濤のアメリカ史。すごい情報量。素晴らしい編集。こうして見せられると1968年の米国って何かとヤバかったんだなぁと改めて分かる。

理不尽な見せしめ裁判がまかり通るニクソン政権ほんとヤバい。カウンターカルチャー潰しをはかるニクソン君めっちゃしょぼいぞ!怨みとかあてつけとか超ダサいぞ!

判事もヤバい。フランク・ランジェラのヴィランっぷりに脱帽。映画「ニクソン×フロスト」でニクソン君を演じてはったことも懐かしく思い出した。存在感あるなぁ。

サシャ・バロン・コーエンの演技を初めて観た!彼の弁が立ちまくるシーンがめっちゃよかった。こんなんリンカーンが逮捕されるようなもんだわっつって。四年に一度の合法なことだわっつって。

映画「ダンケルク」での父親役が忘れられないマーク・ライランス。この方好きだー。弁護士役もすこぶる良い。"And William Kunstler just showed up!" だよ。この敏腕 defense attorney 感!

バーナディン役のアリス・クレメルバーグの美しさにやられた。やる気あるんだかないんだか分からない気だるげ嬢と思いきやキレのあるパンチがきいた会話をする様にときめいた。

そして登場したキーマン。かっこよかった。やー、かっこよかった。

ベトナム戦争反対派として活動し、バイオレンスな抗議デモを企てた容疑で裁判にかけられた男たち。仕組まれたメンバーだったけれど、なんやかんやこのメンツで良かったんだなぁ。熱くなってしまったデリンジャー。癖が悪く出ちゃったトム。そんなトムをよくわかっているアビー。皆が認めたボビーのふるまい。当初の目的からぶれることなく、不条理な裁判を戦い続けた。彼らは民主主義を諦めなかった。

そんな男たち<Chicago 7>がいたことを、理不尽な裁判があったことを、こうして映画化して語り継ごうという気概に胸が熱くなった。トランプ vs バイデンの大統領選にぶつけて公開した熱意に想いを馳せる。この映画のタイムリーなメッセージ性を考えると、新型コロナで劇場公開を遅らせるのではなくNetflixに配信権を売却したのはパラマウントの英断だったと思える。

音楽 by ダニエル・ペンバートンもよかった。Celeste の Hear My Voice は名曲。
https://youtu.be/pnY9_DXMBis

はー、後味最高♪
みきちゃ

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