風来のリヨナ

シカゴ7裁判の風来のリヨナのレビュー・感想・評価

シカゴ7裁判(2020年製作の映画)
4.0
成歩堂くん助けて…

68年シカゴの民主党大会にて発生した、デモ隊と警察隊の大衝突事件。現司法長官の指示でデモガキたちにお灸を据えるべく、「全員を10年牢屋行きにしたい」と、派閥も違う反政府リーダーたちを一緒くたに共謀罪に問うめちゃめちゃな裁判が開かれることに…。

開廷直後こそ若干、「逆に名誉だ」的なノリの被告たち。しかし、超絶激ヤバ判事・ホフマン氏がその暴君ぶりを発揮し始めるとようやく状況を把握。完全に有罪が決定されている敗北必至の裁判だったのである…みたいな。



ベースオンザトゥルーな不当裁判系の法廷ものムービー!”シカゴ・セブン” って呼ばれてる事件らしいです。みんな大好き法廷侮辱罪が大量発生する。

牢屋上等な奴がいれば、あくまで裁判だと冷静な奴もいたり、無関係なのに連れてこられた黒人さんもいたりと、被告陣からおかしいですが、もっとおかしいのが判事。

被告有利な反応してる陪審員はクビ、弁護側の証人尋問は陪審員に公聴させない、黒人のボビー氏には代理人無し発言も無し。重要な証言は公然と削除を指示し、「弁護人うるさ〜い!法廷侮辱罪!」こんな感じなので、完全に逆転裁判の最後の章です。ゆさぶったな!法廷侮辱罪!

まぁ…駄目だって言ってるのに無許可で議事堂付近の公演を占拠し、やることと言えばロックと乱交。正直なところ全然同情できない気持ちはありつつも、ガッツリ被告側に寄り添った脚本で、ラストも結構気持ちが良かったりするためエンタメ的に観れるな〜と思いました。異議あり!

個人的に気に入ったのは、虫も殺さないとされる被告の一人が手上げちゃうとこ、「お前らは古い世代に反抗してるだけ」と他の被告に語るボビーです。
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